阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がミスター超えへ連日の足踏みとなった。オリックス戦に「5番右翼」で先発出場。2試合連続でクリーンアップでの起用となった。2打席凡退で迎えた7回の3打席目は阿部の内角136キロにバットを折られた。失策となり出塁したが、代走を送られて交代。3打数ノーヒットでベンチへ下がった。

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佐藤輝がオリックスの開幕ローテーション入りする左腕宮城に翻弄(ほんろう)された。2回の第1打席はカーブに空振り三振、5回の第2打席はスライダーで中飛に仕留められた。

梨田 対宮城には佐藤輝だけでなく、阪神の全打者が完敗だった。2回は148キロの真っすぐをみせられた直後のカーブに泳がされて三振、5回も球速差のある投球に詰まらされた。1年前の宮城は変化球を投げるときに左腕が緩んだが成長をみせつけた。今後はこのように緩急をつけられるだろう。3打席凡退した中にも収穫はあった。

7回。代わった右の阿部に対した第3打席は、2ボールから内角にきた3球目をファウル。2-1から136キロのストレート系の球を打って二ゴロ(記録は太田の失策)だった。

梨田 キャッチャーからみると、これからどんどんインコースを攻められるのは間違いない。だが結果は二ゴロだが、佐藤輝がその前の2ボールから強振したことに意味があった。あそこをフルスイングすることでバッテリーに「間違ったら長打になるかも」といった恐怖心を与えることになるからだ。

ヤクルト開幕投手の小川もカットボール、フォークなど変化球を織り交ぜて揺さぶってくるはずだ。

梨田 二ゴロの前のファウルは差し込まれていたから、もう少し前でとらえてライト線に打つぐらいの気持ちでとらえるほうがいい。まして不利なカウントではないので、あの状況での思い切ったスイングは次に投げてくる球にも影響を及ぼすはずだ。これからは「技術」「パワー」だけではなく、「読み」「駆け引き」の勝負にもなってくるということだ。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】