短期決戦はいたるところに勝機があり、それをいつつかむかにかかっている。オリックスが王手をかけたこの試合、先に勝機を得たのはソフトバンクだった。
先発田嶋が1回無死二塁から、周東の犠打を一塁へ悪送球。三森がかえって先制した。さらに1死三塁からデスパイネの詰まった当たりが中前に落ち、2点目を奪った。
ここまでの2試合はいずれもオリックスの流れだったが、初めてソフトバンクが形をつくった。千賀が初回の2点で余裕の立ち上がり。7回途中まで3安打無失点。オリックス山本と双璧の内容。2点リードの安心感すらあった。
CSはどこで、勝負の潮目が変わるかわからない。そこがおもしろく、そして戦う側には難しいところでもある。10年はロッテがソフトバンクに王手をかけられた直後、2勝3敗での5戦目(アドバンテージ1勝含む)で、決定的な場面があった。先発大隣に苦しめられていたが、ソフトバンクベンチがファルケンボーグに交代したところで打線が爆発。一気に4勝3敗とまくって日本一に上り詰めている。
今回のファイナルステージも、オリックスが3勝と圧倒的に有利な形勢だが、最後まで分からない。ソフトバンクに、なんとか勝ち目をつかもうという胎動は感じる。5回無死二塁。三森の犠打で、二走甲斐が際どく三進に成功。若月の送球が高く記録に残らないミス。対して甲斐はタッチまで一番遠いベース右端へスライディング。基本走塁をするところに、勝機をつかもうとする流れを感じる。
オリックスは6回、若月が四球で無死一塁。紅林が2度犠打を失敗し、バスターでファウルを重ねたが、その根拠がわからなかった。俊足走者ならバスターで右へ進塁打もあるが、足が速くない若月だった。二塁に進めるなら、思い切ってバスターエンドラン、もしくは3バントも考えられた。むしろ、普通に打たせた方が可能性はあったが、結果は二ゴロで二塁封殺。バスターは中途半端に映った。
ソフトバンクは千賀で1勝。シリーズの勝機はまだどちらにもある。5回、打者三森が捕犠で走塁を怠った場面、さらに7回1死一塁でエンドラン空振りと、まだスキが点在している。
田嶋の悪送球で先手を取り、千賀が試合を作った。ここは完膚なきまでの内容でソフトバンク強しの印象を植え付けることが必須。そこが4戦目の分かれ目になる。(日刊スポーツ評論家)




