3連覇を目指すヤクルトと3年ぶりのV奪回をうかがう巨人は、新外国人投手の力がカギを握る。オープン戦の開幕戦で両軍の助っ人を多数見ることができた。

ヤクルトの先発左腕、ディロン・ピーターズ投手(30=パイレーツ)はゲームを作っていける投手だ。この日は最速146キロだったが、今後もう少しキレは出てきそうだ。そうすれば見極められたり、捉えられたりしていたチェンジアップで空振りを奪える。三振をたくさん取るタイプではないが、四球で自滅する感じではない。けん制、クイックと日本野球に必要な技術もこなし、1年間ローテを守って計算が立つ投手だ。

巨人も前日22日に投げたフォスター・グリフィン投手(27=ブルージェイズ)、タイラー・ビーディ投手(29=パイレーツ)も先発に加わりそうだ。両軍とも日本人を加えて先発の枚数はそろえられる。

勝利の方程式の再構築は、ともに課題とするところ。ヤクルトは守護神マクガフが抜け、キオーニ・ケラ投手(29=ドジャース3A)は新守護神候補の1人。150キロを超えた直球に力はあり、球種は少ないがカーブは精度が上がれば、打者に印象づけられる球になりそうだ。無警戒の走者に盗塁も決められたが、クイックは一定の速さでできていた。

失点したが、あと1カ月でどれだけ状態を上げられるか。クローザーにハマらなければ、清水、木沢らへの負担が大きくなり、高津監督を悩ますことになる。

巨人は大勢につなぐ8回のセットアッパーをヨアン・ロペス投手(30=メッツ)に託したい。だがケラ同様に球種が少なく、直球とスライダーが主体となるが、若手主体のヤクルト打線に初球から直球を捉えられていたのが気になる。先頭の松本直に直球を2球投げて二塁打。続く北村に6球連続でスライダーを投じ、左前適時打を運ばれた。直球をわずか2球で打たれたからといって、この時期にスライダーを続けている偏りは気になった。

5人の1軍の外国人枠入りを伺う「第6の外国人」ヤクルトのライネル・エスピナル投手(31=レッズ)と巨人ヨアンデル・メンデス投手(28=メキシカンリーグ)は明暗を分けた。エスピナルは直球のスピード感、スライダーのキレもなかった。左腕のメンデスはチェンジアップを武器とし、先発、中継ぎと起用の幅は広そうだ。

ただ毎年感じることだが、外国人は開幕してみないと分からず、未知数だ。現役時代に印象的だったのはスピードもなく、チェンジアップも平凡だったヤクルトのグライシンガーが開幕したら別人のように変身した。スピードがあり、チェンジアップの抜け具合もすさまじく最多勝に輝いた。「オープン戦は一体何だったのだろう」と首をひねったのを思い出す。開幕した時にこの日の印象がひっくり返る可能性も十分にある。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対巨人 8回から登板した巨人ロペス(撮影・足立雅史)
ヤクルト対巨人 8回から登板した巨人ロペス(撮影・足立雅史)