あぜん、ぼうぜん。延長10回2死。新しいイニングに入るのかと思った瞬間、阪神加治屋が巨人代打の岸田にまさかのホームランを浴びた。
吉田 わからんもんですな。まさかの、まさかでした。野球は2アウトからという格言がありますけど、それが現実に起きた。あそこでホームランになるんですから野球は怖い。巨人にとっては大きな1勝です。でも阪神にとっては痛くない。この1敗を気にすることはない。ちゃんとした野球ができてますからね。
阪神は最大のピンチを乗り切ったはずだった。9回裏。石井がブリンソンに左二塁打を許すと、すかさず秋広を敬遠で歩かせた。無死一、二塁。4番岡本和を空振り三振、大城卓を二ゴロ併殺に仕留めた。
吉田 ブリンソンに長打を打たれると、ベンチの岡田は迷うことなく、すかさず秋広を敬遠する指示を出した。あそこは勝負の分岐点です。3番を敬遠して岡本和にプレッシャーをかけてるんです。ボール球を振らせて三振にとると、大城卓もまんまとゲッツーでしょ。阪神ベンチが描いた通りで、“風”が吹いてきたと思ったところで、突然のホームランでした。中野、木浪の二遊間も、ノイジーも堅い守りをみせた。
交流戦明けのDeNAに3連敗を喫したが、中日に勝ち越し。巨人とのカード初戦を含めた7戦で、阪神投手陣の平均失点は2・7点だから、ゲームは崩れていない。
吉田 7月が1つのヤマ場と思っています。それもオールスターまでの14戦をいかに乗り切るか。まだ順位を気にする必要はありませんわ。できるだけ貯金を積み重ねたい。DeNA? まったく怖くありません。意外によくやってるのが広島です。うまく若手を使ってね。ここからは総合力がモノをいう。阪神は佐藤輝をどういうタイミングでカムバックさせるかに注目しています。
【取材・構成=寺尾博和編集委員】




