CSファイナルステージを目前に控えた岡田阪神に、85年日本一メンバーで元監督の真弓明信氏(70=日刊スポーツ評論家)が13日、緊急提言した。実戦のブランクが空く打線に対しては、「完璧」を求めすぎずに「踏ん切り」の重要性を説いた。また才木浩人投手(24)のリリーフ適性を評価し、ブルペン増強をプッシュした。

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CSファイナルステージに臨むにあたって、1、2戦目は点が取れなくても慌てないことだ。実戦から遠ざかり、独特の緊張感もある。勝っても負けてもロースコアになる、それぐらいの覚悟を持ったほうがいい。

短期決戦では、主軸で不振に陥る打者が必ずといっていいほど出る。いわゆる「逆シリーズ男」だ。打席で大事にいこうとして、相手投手の球を引きつけ過ぎて、差し込まれてしまう。あるいは自分の形にこだわり過ぎ、どのボールに対しても完璧に打ちにいこうとする。相手の打撃を崩そうと投げてくる投手の思うつぼだ。プロ野球の世界では、自分の形で打てるボールはなかなかこない。今年のWBCではヤクルト村上が調子を崩した。3冠王を獲得したバッターでさえもだ。

そこで大事になるのが、「踏ん切り」だ。これは思い切り振るという意味ではない。真っすぐを狙って、スライダーまで打つのではなく、真っすぐを狙う時は真っすぐだけ。ランクの落ちる投手に対しては狙いが外れても打てるかもしれないが、CSで対戦する好投手にはそういうわけにはいかない。球種の他にも、インコースかアウトコースか。2ストライクまで、「踏ん切り」を決めて打つべきだろう。完璧に打つのは、そういう狙っているボールや得意とするボールだ。それは理想のスイングで一発で仕留めないといけない。

打者だけでなく、投手起用にも触れたい。短期決戦では、1発に泣くこともあり、投手は慎重に投げる傾向になる。球数がかさみ、シーズン同様に長いイニングを計算できないことがある。今の中継ぎ陣が弱いわけではないが、もう1枚頼りになる投手をブルペンに置いたほうがいいだろう。そこで挙げたいのが、才木の名前だ。

岡田監督も中継ぎプランを示唆していたが、リリーフに向いていると思う。湯浅よりも球に力があるし、フォークも安定している。コントロールもいい。先発では出だしはいいが、スタミナがいまひとつない。シーズン中も故障歴のある右肘の状態が良ければ、後ろに回すのはどうだろうか、と考えていた。リリーフの適性があれば、来シーズンは一番後ろにいるかもしれない。それぐらいの面白い素材だ。才木のような存在がブルペンにいれば、早い回から投手に代打を送ることも可能になる。

日本シリーズがオリックスとの関西決戦になれば、これほど楽しみなことはない。その上で、一緒に戦った岡田監督が「また日本一になりましたよ」となれば、それはうれしいよ。(日刊スポーツ評論家)

モニターの阪神岡田監督に頭を下げて笑いを誘う広島新井監督(右)。左はDeNA三浦監督(撮影・梅根麻紀)
モニターの阪神岡田監督に頭を下げて笑いを誘う広島新井監督(右)。左はDeNA三浦監督(撮影・梅根麻紀)