阪神が昨季からのヤクルト戦連敗を3で止め、貯金1とした。先発の才木浩人投手(26)は7回2安打無失点で今季初勝利。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)は古巣の完勝を見届け、先発マスクをかぶった梅野隆太郎捕手(33)の走攻守にわたる貢献を高評価した。【聞き手=佐井陽介】
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5回裏、阪神梅野選手のリードは興味深かったですね。1点リードの状況で、才木投手は無安打投球を継続中。どんな配球をするのかと注目していたら、5番茂木選手から全12球ストレートで3者凡退に仕留めたから驚きました。
理由は2つ考えられます。1つ目はイメージチェンジです。変化球を交えた4回までの配球パターンを一新することで、中盤以降の配球を読みづらくした可能性があります。そして、2つ目は才木投手の右手の状態。しっかり指にかけるストレートを投げさせることで、感覚を取り戻させたのかもしれません。
才木投手は直前の5回表の打席で投ゴロに仕留められた際、スライダーを先っぽに当ててバットを折っています。その際、右手がしびれたようにも映りました。しびれが残ったまま投球に入ると、感覚にズレが出てボールが抜けてしまう場合もあります。梅野選手はそれを防ぐ狙いもあって、ひたすら直球を投げさせたのではないか。そんな風にも勝手に想像しました。
この日は打者としてもリードを5点に広げる左越え2点二塁打を放つなど2安打。2回には2年ぶりの盗塁も決め、リードもさえ渡っていた印象です。藤川監督就任1年目の今季は開幕戦からの6試合で先発マスクが2試合だけ。相当な危機感を走攻守で感じます。
2回1死一塁からの二盗にしても、初球を投げる前から「走るぞ走るぞ」という動きを見せて、まだ浅いカウントの2球目にスタート。ヤクルトバッテリーはまさか本当に走ってくるとは思わなかったのではないでしょうか。下位打線の捕手が打って走れれば、作戦の幅が一気に広がります。梅野選手には今の姿勢を継続してほしいものです。(日刊スポーツ評論家)




