2年ぶりに日本球界に復帰したバウアーが、今季3試合目の先発マウンドに上がった。雨天ノーゲームとなった前回11日の先発は3回しか投げず、中4日で先発。“三度目の正直”で、どんなピッチングをするか注目していたが、今後の登板には課題点ばかりが目についた。
まず、2年前のバウアーと比較すると、球威が3~4キロほど落ちている。まだシーズン序盤で、これから球威は上がっていくとは思うが、2年前はピンチでギアを上げたときの球威は150キロ後半をマークしていた。投げ方を見ても、やや上半身が突っ込み気味で、体の開きも早い。リリースのときにバチンとするような迫力も落ちていて、角度が以前ほどなくなっている。だからバッターからすると、カーブやスライダーの見極めがしやすくなっているのではないか。
本人も自覚しているのだろう。球威に自信がなくなっているから、走者がいないときにも足を上げず、スライドするようにクイックで投げるケースがある。特に足を上げて打つタイプには、頻繁に使う傾向がある。
確かにバッターのタイミングをずらすための効果はある。しかし、使い方が悪い。3回裏、岡本への2球目だった。クイックで129キロのスライダーを投げたが、ドンピシャリのタイミングでバックスクリーン左へホームラン。せっかくクイックで差し込もうとして投げているのに、球速の遅い変化球では意味がない。まだ低めのボールゾーンに決まれば効果はあるだろうが、甘く入ればホームランボールになってしまう。
今試合でもクイックをしながら変化球を投げるケースは多かった。おそらく本人は気が付いていないのだろう。それならば投手コーチが注意してやらないと、いつまでたっても分からないままになってしまう。それに頻繁に使いすぎると、バッターもマークする。岡本の2打席連続のホームランは155キロの真っすぐだった。クイックがきても対応できるように備えているから差し込まれずに、これもドンピシャリのタイミングで捉えていた。
初来日した当初は、速いクイックができなかった。しかし、シーズン後半にはできるようになっていた。その過程でクイックでバッターを差し込めると勉強し、走者がいないときにでも使えるようにしたのだろう。しかし、今試合の投球を見ていても、軸足に体重が乗っている時間が短くなっている。特にクイックで投げるときに、その傾向が強く出ている。だから上半身が突っ込みやすい癖がついてしまっているように感じた。
ピッチングの基本を忘れて小手先の技術に走ると、どんどん力の衰えが加速する。まだシーズン序盤で、修正する期間は十分にある。(日刊スポーツ評論家)




