巨人からしてみると、これほど楽な試合はなかっただろう。初回は4番の岡本が先制の2点タイムリーで、3回には追加点となる7号2ラン。先発した井上は8イニングを投げて中田のホームランによる1失点だけ。先発全員から14三振を奪ったように大量失点する気配はみじんもなかった。巨人の快勝と言ってしまえばそれまでだが「このままで中日はいいのか?」という思いが頭をよぎってしまった。
先発したマラーは、初回にいきなり連続四球を与えた。そして吉川に対しては2ストライクと追い込みながら、3球目の外角スライダーを引っ張られ、簡単に進塁打を打たれてしまった。そして最もマークしなければいけない岡本に対し、1ボールから真っすぐを打たれ、あっけなく2点を失った。
まず、立ち上がりの連続四球は論外。巨人打線でいえば、3番の吉川と4番の岡本の前にどうやって走者を出さないかが勝負のポイントのはず。打たれたのなら仕方ないが、連続四球というのは最悪の結果と言っていい。
吉川は初球に送りバントをしにいってファウルになった。これはおそらくベンチからのサインだろう。裏を返せば、なんとしても二、三塁という状況を作りたかったという思いが伝わってくる。しかし2ストライクに追い込んだ後、普通に打っても一、二塁間に引っかけてしまうような外角へのスライダーを要求してしまった。バットの届かないようなボールゾーンに投げなかったマラーにも問題はあるが、捕手の石伊の責任といっていいだろう。しっかりと反省し、今後に生かしてほしい。
3回も吉川に四球を与え、岡本に2ラン。先発のマラーは制球力も球威もいまひとつなのに首を振る回数が多すぎる。ルーキーの石伊を育てるためにスタメンに起用しているなら、ベンチからマラーに注意を与えた方がいいし、ミーティングでどういう配球をすればいいのかをしっかり指示しているようには感じなかった。
打線もブライトを3番に置いて育てようとしているのだろう。ここまでそこそこの成績は残しているが、大きく育てたいのなら、気楽に打てる6番か7番、上位に置きたいのなら2番でいい。いずれにしてもマークがきつくなるクリーンアップには、ボスラー、細川、中田で、極端に誰かが打てなくなるまで様子を見る方がいい。4番に起用して萎縮してしまった石川の二の舞いになる予感が漂ってしまった。
この試合に負けたが、チームは8勝9敗で健闘している。しかし、その原動力は今試合前まで防御率トップだった投手力にある。少ない失点でしのぎきる野球を心がけ、その間に若手の攻撃陣の成長を待つ。そういった戦いが、できているようには思えなかった。(日刊スポーツ評論家)




