阪神デュプランティエとDeNAジャクソンとの投げ合いは、緊迫感のある素晴らしい投手戦だった。両投手とも150キロを超える剛速球を軸にした本格派で、6回を終わって1-1だった。ここまでの球数はデュプランティエは72球で、ジャクソンは89球。どのタイミングで継投に入るかが、勝負の分かれ目だった。
不安が大きかったのは、やはりデュプランティエの方だった。球数こそジャクソンより少ないが、来日1年目で7回を投げたことがない。最多の球数も99球だった。6回は3者凡退に抑えていたが、球は上ずり気味になっていたし、7回のDeNAの攻撃は2番から始まる打順だった。7回のマウンドに向かうのは問題ないが、すんなりいかなかった場合、交代は難しいタイミングになると思っていた。
1死一、二塁のピンチを迎え、度会への投球が限界だった。投球の半分以上が真っすぐで攻める右腕だが、その真っすぐが浮き気味になると、一気に苦しくなる。ただでさえ打者は真っすぐのタイミングで待つし、甘く入れば長打の危険が高い。そもそもストライクゾーンにも入らなくなっていた。度会には絶対に四球を避けたい場面で、変化球を5球続けた。結果は最悪の四球になった。ここが交代のタイミングだった。
なんとか山本を打ち取ったが、代打の宮崎に対してフルカウントになった。ここで坂本がマウンドに向かったが、おそらくデュプランティエに何を投げたいのか聞きに行ったのだと思う。個人的には指先に感覚が残っているうちに、3-1から見逃しストライクを奪ったスライダーをすぐに投げさせた方がいいと思った。しかし押し出し四球の可能性もあるだけに、坂本も何を投げさせていいか分からなくなっていたのだろう。
結果はスライダーを続けて押し出し四球。ストライクゾーン低めのギリギリの高さだったが、宮崎は見切ったように見逃していた。やはり限界だった。今後、デュプランティエはもっとよくなる可能性がある投手だし、ここで投げるスタミナを養うために続投させたのかもしれない。2試合連続で接戦が続き、リリーフも休ませたい気持ちもあっただろう。あるいはストッパーだった藤川監督が、満塁からリリーフする投手の過酷さを考慮したのかもしれない。長い目でみれば続投も有りだが、今試合に勝つことだけに徹すれば、交代のタイミングが遅れたと言っていい。
押し出しの後も続投し、石上に2点タイムリーを浴びて試合は決まった。(日刊スポーツ評論家)




