阪神の戦いぶりは余裕すら感じさせた。まず先発才木が1回、1番岩田の投ゴロを一塁悪送球で二進を許し、続く赤羽の犠打で1死三塁になった。いきなりのピンチに3番内山を迎えた場面、阪神ベンチが内野陣を前進させることはなかった。
仮にチーム事情が1点も与えることのできない立場であれば、前に守備隊形を指示するチームもある。だが阪神のポジショニングが後ろだったのは、ここで1点を失っても、どこかで追いつき、ひっくり返すことができると打線を信頼している表れだろう。
実際、内山、村上の後続を断つと、2回に小幡、高寺の1イニング2本塁打で先制してみせた。4回には佐藤輝の27号、小幡が2打席連続本塁打で、あっさりと主導権を握ってしまった。逆にヤクルトは2回に二塁走者オスナの判断ミスでチャンスをつぶすなど、典型的な下位に沈んだチームの戦いだった。
特に4回の先頭だった佐藤輝が、ヤクルト吉村から粘って、粘って10球目をホームランにしたのは、今シーズンの成長を証明していた。ヤクルトとのカード初戦も決勝打を放った佐藤輝の働きが大きかったわけで、ヤクルト村上との「4番」の差が明暗を分けた。
また阪神はこの日、ストッパー岩崎の登録を抹消した。8回に大山の適時打で4点差に開くと、その裏はドリスを投入、9回は桐敷で逃げ切った。総合的に考えると、岩崎に代わる抑え役は石井が適任だろう。ここも「質」「量」ともそろっているから、チームが揺らぐことはないだろう。(日刊スポーツ評論家)




