日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏(60=前西武GM)が全代表校が登場した13日までに、甲子園49代表校の初戦をチェックしました。プロで長く編成に携わった眼力で、高い将来性を感じた選手は誰? あえていつものしゃべり口調でお届けします。【聞き手・構成=金子真仁】

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健大高崎、実力では優勝もありえたと思う。ちょっと不完全燃焼かな。でも京都国際の打線がすごくてビックリした。石垣元気投手(3年)の速い直球の後の変化球も、普通に打ってたし。

その石垣元は、あれだけの球投げたらドラフト1位でしょう。変化球も増えたね。カットボールとか。高校でそこまで球数も多く投げてないと思うから、プロ1年目からすぐに使うには早すぎるけど、いずれは160キロ以上を投げるポテンシャルは十分持ってるね。

同じ健大高崎の佐藤龍月外野手兼投手(3年)は群馬大会の方が良かった。今日は良くなかった。彼はトミー・ジョン手術明けじゃん。ここから、もっと良くなるよ。野球センスもいいし。追っかけてみたい投手だね。ドラフト上位はないと思うけど、球団によっては3位とか4位もあると思う。

京都国際・西村一毅投手(3年)は進学希望みたいだけど、ワンクッション置かずにプロでもいいと思える投手。大学1年から投げると思うし、2年生とか3年生でピークにならないでほしいかな。そういう選手、これまでけっこう見てきたから。

創成館の森下翔太投手(3年)もいいね。彼はいい。特別、何がすごいとかじゃなく、全部の球でストライクが取れる。空振りも取れる。そういえば彼みたいにヒールアップで投げる投手って、最近はいないよね。疲れるのかな。

仙台育英・吉川陽大投手(3年)は膝元へのスライダーが抜群だね。まっすぐもスピンが効いてる。横浜の奥村頼人投手(3年)と神村学園の早瀬朔投手(3年)は、もう1度じっくり見てみたいかな。

相対的に、2年生の方が気になる選手が多かったかも。山梨学院の菰田陽生投手(2年)は、日本ハムの達君の高校時代と重なったよ。達君はあの角度でコントロールが本当に良くて、今、プロでパワーがついてきた。似たタイプだと思う。

聖隷クリストファー高部陸投手(2年)はベース板の上で速い。あれは、打者が嫌がると思う。花巻東の萬谷堅心投手(2年)はピッチングを知っている。酸いも甘いも分かってる感じの。横浜の織田翔希投手(2年)も、来年の上位候補に入ってきそうだね。

「ドラフト候補」として考えると、野手は正直、小粒すぎる気がする。でも、東洋大姫路の打者たちの体つきには驚いたね。岡田監督が鍛えている感じがする。

スカウト陣は大体、ここで甲子園を離れるのかな。高校や大学の秋の大会に、8月下旬からは社会人野球の都市対抗もあるし。あと2カ月ちょっとでドラフト会議。暑いけど、ゆっくり夏休み…ってわけにはいかないよね。

聖光学院対山梨学院 聖光学院戦に先発する山梨学院・菰田(2025年8月12日撮影)
聖光学院対山梨学院 聖光学院戦に先発する山梨学院・菰田(2025年8月12日撮影)