現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(56)が試合をチェック。不調から一転、9試合40打席ぶりの32号を放つなどマルチ安打で復調気配を見せた4番佐藤輝明内野手(26)について解説しました。【松井清員】

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佐藤輝は4回の第2打席に放った9試合ぶりのホームランで、ずいぶん気持ちが楽になったのでしょう。8回の最終打席はベストな打ち方ができていました。左の石原投手のスライダーにまったく体が開かず、しっかり右前にはじき返しました。ホームラン1本で終わるのではなく、このヒットは大きい。良い感覚を取り戻す最高の週末になり、26日からのDeNA3連戦に向かえると思います。

ここ何試合かは気負って力んで、ボール球に手を出す場面が目立っていました。特に神宮は狭いので、ホームランを打ちたいという思いがはやって選球眼が乱れ、何でも振ってしまっている感じでした。ヤクルトバッテリーは結構インサイドも突いてくるので、そうした配球を意識しすぎた部分もあったのかもしれません。

すべてのモヤモヤを晴らしたのは、4回に奥川投手から放ったホームランでした。高めに浮いたスライダーを、ややこすり気味でしたが、右中間席の深いところまで運びました。バットに当たりさえすれば、あそこまで飛んでいくのです。長いシーズンを戦っていると、必ず調子が落ちる時期もあります。特に今年は良すぎるだけに、少しでも打てないと騒がれたりしますが、最高の結果で自分の持ち味を再確認し、ホッとできたと思います。

先発の才木もよく投げました。2試合連続の延長戦明けで、リリーフ陣をあまり使いたくない一戦でした。本人もその強い覚悟を持って、マウンドに上がったと思います。8回途中1失点での12勝目は立派のひと言。25日の移動日をはさんで、勝利の方程式を担う救援陣に休養を与えることができました。4番が打ってエースが抑える。投打がっちり、意義ある勝利です。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対阪神 4回表阪神無死、右越えソロ本塁打を放つ佐藤輝(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 4回表阪神無死、右越えソロ本塁打を放つ佐藤輝(撮影・鈴木みどり)