シーズン終盤の継投は、本当に難しい。近年、各チームとも夏場が終わるぐらいまでは疲労を考慮し、3連投以上は避ける傾向が強い。それでも9月を過ぎれば、そんなことも言っていられなくなる。その試合を勝つために全力を尽くすようになる。当然、これまでの継投とは違ってくる。ここで度胸満点の継投を見せたのが、日本ハムだった。
先発は高卒ルーキーの柴田だった。試合の焦点は、どこで継投に入るかだった。3回に2点を取られたが、すぐに同点に追いついてもらった4回だった。この回のマウンドに上がった時点で、すんなりいけばこのイニングまでだろうと思っていた。しかし2死を取って球数は57球。ここでセデーニョを迎え、宮西をマウンドに送った。
左サイドハンドの宮西に対し、セデーニョは右の長距離砲。しかし、宮西は今季はまだホームランを打たれていないし、左打者は3割1分の被打率で右打者は1割8分8厘。万全の継投策だった。しかしセデーニョには内角を狙った真っすぐが逆球になり、痛恨のソロを浴びた。
そして驚いたのが、5回から今季初登板になる畔柳をリリーフに送ったところ。5点以上のリードを許しているのなら分かるが、まだ1点のビハインド。首位にいるならまだしも、2位の日本ハムはひとつも負けられない立場。打順も1番から始まる。ここで経験の少ない今季初登板の投手をリリーフさせるとは思わなかった。しかしピンチは迎えたが、畔柳は無失点に抑えて期待に応えた。
一方の西武の継投も難しかった。先発の与座は7月中旬以降、100球以上を投げていない。何より右の下手投げで、イニングが進むごとに打者は慣れてくる。5回まで68球で、クリーンアップから始まる6回裏が継投のタイミングになると思っていた。
先頭打者のレイエスに同点ソロを浴び、郡司に四球を与えた。継投を考えていれば、このタイミングだった。しかし、清宮幸にレフト前ヒットを打たれ、黒木にスイッチ。この遅れが大量失点を招いてしまった。
日本ハムは手堅く最善策をとった宮西の継投が裏目に入り、度胸よくつぎ込んだ畔柳の継投が成功した。西武は一瞬の遅れが、致命傷の失点につながった。今後の戦いも、目の離せないスリリングな継投策が勝負の分岐点を作るだろう。(日刊スポーツ評論家)




