優勝を争う2チームにとりこの3連戦は、要約すればスキを突くか、スキを見せないかの戦いとなる。14日初戦は、ヤクルトが巨人外野陣のちょっとした動きの中に、わずかな緩慢さを見いだし、勝機につなげた。では、2戦目はどうだったのか、と言えば今度は巨人が雪辱する形になった。
サンタナのソロで先制を許した直後の4回表、浦田は左前打。松本は進塁打を意図して右へ運び、これが一、二塁間を抜けて無死一、三塁。さらに松本は奥川のクイックの甘さをつき二盗。無死二、三塁とプレッシャーをかけた。
ここで泉口の内野ゴロで、試合を分けるプレーが生まれる。一ゴロが飛んだ瞬間、浦田は意思を持って塁間のほぼ真ん中で止まった。この判断と、その背景にあった準備が光った。
守るヤクルトからすると、セデーニョの取れた選択肢は3つ。自分で浦田をアウトにするために走るか、ホームに送球か、三塁に投げるか。しかし、浦田が中間に止まったことで、セデーニョはホームに投げるしかなく、これで挟殺プレーに入る時間的余裕が生まれ、打者走者泉口は二塁を陥れる。
1死一、三塁と、1死二、三塁では併殺の可否、犠飛での二塁走者の三進の有無という大きな違いがある。つまり、形は作った、あとは4番ダルベックに託すという、最低限のお膳立てをすることができた。
なまじ俊足の三塁走者ならば、同点にすることだけに目が向いて、内野ゴロで突っ込んでしまうことも往々にしてある。ここは冷静に、そして確実に二、三塁の形をアシストした浦田の走塁に、しっかり相手のスキをついた「質」を感じた。
ヤクルトからすれば三塁の赤羽が、一ゴロにより二走松本が三進すると判断した時、浦田に対して猛ダッシュをかけていれば、泉口の二塁進塁は阻止できたかもしれない。そこは今後の両チームがまた同じ展開になった際、どんな高度な駆け引きになるかを期待したい。
巨人は5回にも、二走門脇が、浦田の左前打で4点目の生還をしているが、前進守備のサンタナが捕球した時、門脇は三塁にいたが大回りせず、最低限ベースを小さく回るという憎いほどの走塁技術を見せて、楽々ホームに戻ってきた。
とても細かい部分の積み重ねで、一見すると大味な点差になるのだが、そこにはプロの技術が詰まっている。それを難しいと考えるか、難しいが確実に実行するんだと準備するのか、その差は大きい。(日刊スポーツ評論家)







