打線の要が、パワーアップを予感させた。日本ハム近藤が、プロ入り後初めて鹿児島・徳之島で自主トレを行った。時折、雨に見舞われた気まぐれな空の下、一瞬でも晴れ間を見つけると「今だ、今しかない!」と笑顔でグラウンドに駆けだし、フリー打撃を敢行。「4割男」の打撃は健在で、力強さが増したスイングで柵越え連発した。つかの間の青空には、今季への吉兆を予感させる虹が架かっていた。
満を持して花開いた。6年目の昨季は、開幕から出場47試合で打率4割1分5厘。抜群の選球眼で四球を選び、持ち味の逆方向への安打を重ねた。73年張本の46試合を上回り、球団最長を更新。6月にプロ入り当初から不安を抱えていた腰椎椎間板ヘルニアの摘出手術を受け、離脱を強いられたが、終盤には返り咲いた。ケガの影響を感じさせず、規定打席には届かなかったものの最終的に4割1分3厘でシーズンを終えた。
周囲の高評価が、現実になった。中田やエンゼルス大谷らは、かねて「コンちゃんはすごい」「近藤さんはすごい」と、声をそろえた。栗山監督は「(来季の)軸なので」とまで言及し、さらなる活躍に期待を込める。当人は4割を「全然、意識していない」と言うが、打撃フォームの軸は昨季のまま。微調整を加えながら、徳之島での自主トレに臨んでいた。
自主トレ中は野手4人で民宿に泊まり、食事もともにした。メンバーは同学年の松本と後輩の渡辺、平沼。近藤からゲキを飛ばされロングティーに励んだ平沼は、両足をつるまで追い込んでいた。休日には近藤が持ち寄った肉でバーべーキューするなど、グラウンド外でも交流を深めた。中田や西川の「弟分」の印象が強かった近藤は、多くの後輩から師事される先輩に。心身で成長を遂げた「4割男」が、新たなシーズンに挑む。【日本ハム担当 田中彩友美】




