地元岡山から遠く離れた宮崎の地で、実家がお隣さんの2人が初対決した。3年目の山本由伸投手(20)とドラフト2位の頓宮裕真内野手(22=亜大)は岡山・備前市にある実家が隣同士。学年は2つ違う。伊部小時代はチームメートだったが、備前中では所属チームが異なった。約10年間の時を経て、プロの世界で2人の運命は交わった。

11日に行われた春季キャンプの紅白戦。結果はプロのキャリアでは“先輩”にあたる山本に軍配が上がった。1死走者なしの場面。初球は山本が習得中のシュートで見逃しストライク。2球目は真ん中低めへのカーブで見逃し。3球目、真ん中低めのカーブを頓宮が打って出て、三ゴロという結果に終わった。

山本は頓宮との対戦を終え、「ちょっと特別な気持ちになりました。野球をしているのを実際見たのが中学の時以来だったので、すごく新鮮というか、対戦できてうれしかったです」と感慨深げ。頓宮は「真っすぐでくると思っていました」と笑顔。「(山本は)プロの中でも一流の選手だと思っている。その面に関しては隣同士というのは関係なく、いい経験をさせてもらったと思います」と真剣な表情で語った。

幼少時代から仲良しだった2人が、プロの舞台でチームメートとして再会を果たした。いつの日か、山本が先発として快投し、頓宮が豪快な決勝本塁打を放つ。そしてヒーローインタビューでお立ち台の上で再び“お隣さん同士”となる姿が見てみたい。【オリックス担当 古財稜明】