<ロッテ3-7ソフトバンク>◇26日◇ZOZOマリン

失敗は「倍返し」で取り戻した。ソフトバンク周東佑京内野手(24)が、前日のミス負けを挽回するプロ最多タイの4打点で連敗を5で止めた。2回に先制の2点適時打を放つと、3回にも中押しの2点適時打。工藤監督から「晴らさないといけない」と叱咤(しった)されていた男は守備でも魅せ、1日で借りを返した。負ければ2位ロッテに0差に迫られた首位攻防第2ラウンドで鷹の意地がさく裂、再び2差に広げた。

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周東の活躍には、本多守備走塁コーチの存在も大きい。試合前の打撃練習の合間、本多コーチが周東相手にマンツーマンでゴロ捕球の特訓を行った。「どうすれば1歩目が切りやすいか。近くで指導してもらった」(周東)。成果は5回、藤岡の中前に抜けそうな打球好捕につながった。

「ミスしたままにするのが一番ダメ。試合に出て経験していかないと」。そう話す本多コーチも、プロ1年目に、サヨナラ負けにつながる「大失態」を犯していた。

06年8月24日のオリックス戦(スカイマーク=現ほっともっと神戸)。同点で迎えた9回2死満塁、本多二塁手の“トンネル”(記録は右前安打)で敗れた。微妙にバウンドが変わった打球だったが「あればトンネルです。記録はヒットでしたがエラーはエラー」。今も忘れない。苦い思い出を克服した経験を、周東にも味わってほしかった。

周東へのレッスンを終えた本多コーチは「私も必死ですから」と笑った。選手の気持ちに寄り添うコーチがいて、ソフトバンクの若手の前途も明るい。【ソフトバンク担当=浦田由紀夫】

ロッテ対ソフトバンク 5回裏ロッテ無死、藤岡の打球を好捕し一塁へ送球する周東(撮影・横山健太)
ロッテ対ソフトバンク 5回裏ロッテ無死、藤岡の打球を好捕し一塁へ送球する周東(撮影・横山健太)