侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)が11日、都内で「第20回タニタ健康大賞」贈賞式に出席した。優勝した3月のWBCなどで、選手のコンディション管理に尽力したことが国民の健康意識を高める契機となったとして、賞状などを贈られた。
谷田社長とのトークショーも開かれたのだが、同社長は栗山氏の著書「栗山ノート」に書かれている「三方良し」の精神に感銘を受けたという。江戸時代から近江商人が大切にしていた精神。買い手、売り手だけでなく、世間も大事にしないといけないという考えだ。プロ野球に置き換えれば、選手やチームだけでなく、ファンも大事に、ということになる。
栗山氏は「僕らも選手を預かって、なんとか結果を残さないと選手たちの生活もあるので、そちらに意識が行きがちなんです」と認めた。ただ、すぐに「野球を愛してくださる方、(会社で言えば)商品を愛してくださる方々が喜んでもらわないと、前に進まないっていうことだと思う。ですから、どうしても自分の側で試合に勝ちたいってなってしまうんですけど、商売の世界の三方良しじゃないと、みんなで喜ばないと、うまくいかない」と続けた。
ファンに喜んでもらう。その意識が監督業のプラスになったという。具体的には「例えば、こんな選手見たいよねとか、こんなやり方を見たら、もしかしたら喜んでくれるかもしれないとか」考えていたそうだ。
それで合点がいったのは、やはり大谷翔平投手(29)の二刀流起用だ。贈賞式は、たまたま大谷のドジャース移籍が決まった翌日に行われた。式の後、栗山氏に三方良しとの絡みを尋ねたら「細かい状況は言えないですけど」としながらも「間違いなく、そこがめちゃくちゃ大きい」と言われた。
二刀流はチームを勝たせるためというのが大前提としても、「ファンにも喜んでもらうため」という“三方良し”も発想の源にあった。もちろん、本人の才能と努力があってこその成功だったが、ファンの思い、そして、それに応えようという指揮官の思いも欠かせなかった。【古川真弥】




