ソフトバンク前田純投手(24)は、1本の電話から大きな飛躍を遂げた。

「面識もあまりなかったので。ほんとうに緊張しながら…」

昨年11月。トレーナーを通じて、連絡先を入手した和田毅投手(43)に電話をかけた。和田が長崎で行う、シーズンオフの自主トレ参加を志願するためだった。

前田純は当時、育成選手で大ベテラン左腕と接点はなかった。だが、前田純は言う。「快く、受け入れてくださった。『どこが課題なの?』『どういうふうになりたいの?』って。そんな話しをする機会も今までになかった」。通話時間は約15分。百戦錬磨の大先輩に気にかけてもらったことがうれしかったという。

実際に和田の自主トレに参加し、「投球フォームの考えがガラッと変わった」と言う。下半身の使い方を伝授され、打者に球速以上の速球を見せられるようになった。さらに「自分と同じ左ピッチャーのすごい人たちがいて」。他球団では楽天早川、西武隅田、阪神大竹らも同自主トレに参加。同じ左腕から大きな刺激をもらう機会にもなった。

プロ2年目の今季はウエスタン・リーグで10勝(4敗)を挙げ、防御率1・95と圧倒的な成績を残した。7月に念願の支配下登録を勝ち取り、9月29日の敵地日本ハム戦でプロ初勝利もマークした。自身初の日本シリーズ登板も果たすなど、24年シーズンは飛躍の1年となった。

「正直、ここまで考えられなかったです。和田さんの自主トレに参加していなかったら今の自分はいないと思います」と振り返る。今オフも志願する予定で、「気持ちは先発でローテに入りたい」とさらなる高みを見据えている。【ソフトバンク担当=佐藤究】

ソフトバンク前田純(2024年10月撮影)
ソフトバンク前田純(2024年10月撮影)