2月1日から阪神担当を拝命した。ドラ番からトラ番へ。濁音の点々がなくなった。前回の赴任を加えると約10年以上。日刊スポーツ勤務のうち、約3分の1を名古屋で過ごしたことになる。20代の時も過ごしていたときもあり、愛着のある街を去るのは寂しい。

1月末に担当変更を渉外担当や打撃投手なども務める中日フランシス・ルイス通訳(48)に伝えると、こう返された。「マジですか。ライデル(マルティネス)みたいじゃないですか」。同じセ・リーグのライバル球団の担当になるが、違いますよ。昨季までの守護神マルティネスは、巨人から多額の年俸、複数年契約を提示されての移籍。僕はサラリーマン。上長の命令で、移るだけで、給料が増えることもありません。

一から新球団で担当をスタートさせている。初めて担当記者を請け負った20代に先輩記者から口酸っぱく言われたことを思い出した。「担当球団に愛着を持っても『ウチの球団』などと身内意識を持つな」。球団や選手の、いい話を書くこともあるが、悪い話や厳しいことを書くときもある。身内意識が、筆を鈍らさないようにするアドバイスだった。

今年は人生最後の厄年を迎え、取材生活では最後の担当球団になると思う。知る限りでは、日刊スポーツの担当記者では最年長記録を更新すると思う。「to boldly go where no one has gone before」。体は無理だけど、心は再びリセットして新担当に挑んでいる。【阪神担当 伊東大介】