幸福な人もそうでない人も、当然、世の中にはいます。そう簡単に「新年おめでとうございます」などとは言えない…といつも思うのですが、とりあえずは2020年の新たな年を迎えることができたということで、やはり、書きます。新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

2019年度学生野球資格回復制度研修会 講義を受けるイチロー氏=2019年12月15日   
2019年度学生野球資格回復制度研修会 講義を受けるイチロー氏=2019年12月15日   

なんといっても今年は東京五輪イヤーです。注目は多々ありますが、やはり野球がどうなるかは外せないところです。08年の北京五輪以来の復活、次の24年パリ五輪では除外されましたが盛り上がり次第では28年ロサンゼルスでの復活も考えられるところです。

野球と言えば昨年の大きな話題の1つはイチロー氏の現役引退でした。3月、東京ドームでのアスレチックス対マリナーズ戦2試合の後、イチロー氏が引退を表明。歴史に残る深夜の引退会見になったのは記憶に新しいところです。

そのイチロー氏、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターの仕事を終え、帰国した後には草野球に熱中。12月には神戸で試合を行い、話題になりました。さらに電撃的に「学生野球資格回復研修」を受け、アマ球界を指導するための資格を目指しています。

見た目では何も変わらないイチロー氏に接し、妄想してしまうのがイチロー氏の“電撃復帰”です。こんな話です。

かつてイチロー氏から五輪の野球についてこんなことを聞いた記憶があります。

「プロにはWBCがあるんだし、五輪はアマで戦った方がいいんじゃないかと思うんですよね」

この意見、実は根強くあり、北京五輪での指揮を執った故・星野仙一氏ですら「オレは五輪の野球はアマに返した方がいいんじゃないかと思うんだ」と話していたこともありました。

もちろん多くの競技でプロが五輪に出場する現状に加え、野球でもプロ選手が出場するようになった経緯を考えれば、軽々に「五輪はアマで」とは言えません。それでもプロ球界に行かなくても世界の晴れ舞台で戦う機会があれば、これはいいことだと思います。

そして何よりイチロー氏その人です。前述した通り、現在はマリナーズに籍がありますが当然、メジャー選手ではありません。現状でも五輪に出場することは不可能ではないはず。

イチロー氏が「学生野球資格回復研修」に参加することについて、12球団の理事会で事前に確認がされています。本来、球団に属している場合は参加できないのですがMLB球団とはいえ独特の立場にいることを考慮し、今回は“特例”で参加できたという話も聞いています。

イチロー氏はマリナーズで選手を教えるプロか。草野球を楽しむアマか。いずれにしても現状なら五輪に参加することは可能でしょう。それならば84年に初めて野球が行われたのと同じロサンゼルスで行われる2028年の五輪で、野球復活となった場合、なんらかの形でかかわることになれば…。

その頃、イチロー氏は54歳の夏を送っているはず。ズバリ「監督兼選手」で出場してくれれば…。球界にとってこんなに面白い話はありません。

生きている限り、トレーニングを続けるはずのイチロー氏。東京五輪へのメダル獲得を願いつつ、そんな初夢を広げてしまいました。