昨秋近畿王者として神宮大会4強入りした天理(奈良)。その原動力となったのが当時1年生で近畿大会では背番号20の達(たつ)孝太投手と、19の瀬(せ)千皓外野手の「セタツコンビ」だった。瀬は神宮では昨秋の神宮大会では2試合連続本塁打を含む8打数4安打8打点と活躍。トレードマークのメガネ姿もあり、一躍注目を浴びた。
1年がたち、2人はエースと4番になった。身長193センチの達は、最速145キロ長身右腕として、早くも来秋のドラフト候補となった。8月11日の甲子園交流試合、広島新庄戦でも9回に1イニングを投げた。
瀬は甲子園では出番がなかった。6回から代打の準備をしていたが、打席に立つことができず試合後、正直に「悔しい」と口にしていた。夏の奈良県独自大会は3年生のみで戦った。その裏で、瀬は春から捕手に挑戦していた。
本格的に捕手をやるのは中学2年以来。ずっとメガネをかけての捕手だった。小学5年で捕手になった時からオークリー社のスポーツ用メガネを愛用している。「マスクを脱ぐ時も邪魔になったことはないです」と話していた。
メガネの捕手としてはヤクルト古田が有名。中村良二監督(52)自身も近鉄、阪神での現役時代に内野手だったがメガネをつけてプレーしていた。「メガネだと(メガネと目の隙間で)左右の斜め下や真横が見にくい。だから常に顔を左右に動かして状況を見なければいけない。でも、流し目でチラッと見るよりも顔を動かして正対して見た方がしっかり情報が目から入ってくるんです」と、自身の経験を交えながらメリットを説明した。
新チームとなり、打撃に専念するために再び外野に戻り、一塁も兼任している。捕手転向とはならなかったが、捕手を経験したことで瀬は「毎日、たくさん投手が投げる球を見ているので、打席でもボールがよく見えるようになった」とプラス面も話した。セタツバッテリー誕生とはいかなかった。優勝したこの秋の秋季近畿地区高校野球奈良県予選では4番を任された。17日からは京都で来春センバツの重要な資料となる秋季近畿大会が開幕する。メガネのスラッガーが、捕手経験もプラスにした打撃で2年連続の近畿王者へ、けん引する。【石橋隆雄】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)




