6日に都内で行われた東京6大学野球連盟100周年の記念トークショー(ベースボール・マガジン社主催)。1時間半にわたるイベントを取材した際に、ヤクルトなどで活躍した明大OB広沢克実氏(63)が「魚雷バット」というネーミングに対する違和感を投げかけたことが焼き付いた。
広沢氏 バットを「魚雷バット」というでしょ。実は戦争で魚雷で亡くなった方がいっぱいいるし、我々の明治の先輩にも人間魚雷『回天』に乗って亡くなった方もいる。プロ野球の沢村栄治さんも魚雷攻撃で亡くなっている。
それまでは広沢氏らが学生時代にまつわる思い出を披露し、会場中から笑いの絶えないトークショーだった。それが一転して会場内から重苦しい雰囲気が立ちこめるが、広沢氏は続けてこう訴えた。
広沢氏 歴史を知っていると、あのバットを「魚雷バット」とは言いたくない。解説者が『魚雷』『魚雷』というのをみると、私はドギッと思ってしまう。
魚雷バットは先端が細く、中心部が太い独特な形状はまるでボウリングのピンとも称される。この特徴を端的に言い表す「魚雷」というネーミングについて少し立ち止まって考えると、物々しさと同時に危うさすら感じてくる。「ボウリングバット」「ボウリング型バット」でも、特徴は十分に伝わるような気がしてならない。
「遊撃」「刺殺」「憤死」…。野球用語はとかく物騒な言葉が多い。書き手として深く考えず、すんなりと受け入れてきた記者に対して、広沢氏が投げかけた疑問が胸にズシンと響いた。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)




