よほど「関西の夜」が好きなのか。いや、反対に夜遊びできないように指揮官・原辰徳が“残業指令”を出しているのだろうか。そんなはずはないけれど京セラドーム大阪でのヤクルト2試合に続き、巨人はこれで3戦連続の延長戦だ。そこにお付き合いして? 阪神は延長12回引き分けに終わった。

2点のリードを守れなかったショックの残る引き分けなのは間違いないだろう。12回裏、島田海吏が犠打を決められず、盗塁もいったんセーフになりながらベースを離れてアウトになるという“大暴れ”の場面もあった。

それでも0-0の8回、一気の攻めで苦手の戸郷翔征から2点をもぎ取った。ケラーが9回を抑えればすべて丸く収まっていたはず。それでも打たれるときはある。「(ボールの)角度とか、質はちょっとよくなかったのかなって受け止めはしている」。指揮官・矢野燿大はそう話したけれど開幕時の乱調からファームで調整し、1軍復帰後は好調だっただけにこの夜は責める気にはならない。

ディフェンス的には締まったゲームだったと思う。両先発投手の好投はもちろん、随所で両軍の守備が光った。5回、2死二塁から近本光司の中前へ抜けるかという当たりをダイブキャッチした吉川尚輝は見事だった。阪神ではその近本。肩の強さは課題とされていたが三塁へドンピシャの送球で坂本勇人を刺し、失点を未然に防いだ。

両軍とも内野手への強襲安打などはあったものの、しっかり守ったのは間違いないだろう。3位と5位。現在置かれている状況はパッとしないが、それでも「伝統の一戦」らしい緊迫感を感じさせてくれた。

あらためて守備の話を書くのは言うまでもない。このカード、ファンならご存じだろうが「失策最多合戦」でもあるからだ。前日まで阪神は73失策でリーグのワースト2位。そしてワーストは巨人の「74」だ。

今季の巨人は春先から失策が多い。一時は毎年、守備が課題の阪神が最少で巨人が最多という時期もあった。その後、阪神が一気に失策数を増やし、ワーストのときも。しかし巨人もなかなか向上せず、現在はそういう順位になっている。

DeNAとほんの少しゲーム差が縮まり、かろうじて2位浮上の可能性が残る阪神。このカードは無失策でしのぎ、巨人を“逆転”する事態だけは避けたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対巨人 12回引き分けとなり原監督(手前)が引き揚げる中、ファンに一礼する矢野監督(中央)(撮影・狩俣裕三)
阪神対巨人 12回引き分けとなり原監督(手前)が引き揚げる中、ファンに一礼する矢野監督(中央)(撮影・狩俣裕三)