「10連勝して2位広島に8ゲーム差」。試合前のそんな状況がなければ相当に痛い敗戦だと思う。1回、森下翔太の2ランで2点を先制しながら先発・西純矢が追い上げられ、ブルペン陣が逆転を許した。終わってみれば6-7と1点差での敗戦。「1点差試合」は指揮官・岡田彰布が得意とするところだが、今回は取れなかった。
これが長期ロード13試合で2敗目だ。ずっと勝ち続けるはずはないし、連勝もいつか止まる。それは分かっている。それでもなんだかドキドキする虎党のみなさんがいるのでは…と想像してしまう。
なにしろ状況が似ているのだ。14日に広島入りしたとき、指揮官・岡田彰布はこんな話をしていた。「新井を激励せなあかんやろ。前のときは顔色よかったけど顔色悪なってそうやから激励しとかんとあかん」。
「前のとき」と言ったのは前回の広島戦だ。7月28日から甲子園で3連戦。同27日に阪神は広島に抜かれて首位から陥落しており、まさに首位攻防戦。その時点で広島は10連勝をマークしていたが、直接対決は阪神が2勝1分け。敵将・新井貴浩率いる広島の勢いはそこから落ちていった。
そして今回。10連勝してきたのは阪神だ。違うのは前回は広島が2位阪神に1ゲーム差をつけての首位攻防戦だったのに対し、今回は大きなゲーム差がついていること。「顔色がいい」のは岡田だろう。
大阪人である岡田がジョーク交じりに話した「激励」談話は虎番記者からすればいつもの“岡田語”である。とぼけていて面白いが聞く人が聞けば「油断しているのか?」と思うかもしれない。10連勝したときに書いたように不安なのは“10連勝の反動”だ。岡田自身も以前に「連勝の後に来る連敗」についての不安を述べている。
「いらんことするから」-。岡田はこの日の敗因として<1>4回に出た佐藤輝明の失策<2>6回、バント気配の菊池涼に馬場皐輔が出した四球<3>8回無死二、三塁で得点できなかった攻撃…などを挙げた。
「普通にやったらエエ言うてるやん。普通にやらんから、こんなんになるんや」-。岡田はそう話したが、その「普通」が若いチームには難しいのも事実かもしれない。「連勝の反動」が出るか。「普通」にやれるか。16日以降に注目だ。もちろん阪神が有利なのは変わらないのだけれど。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




