ファン気質も変化しているのは承知の上で書くが、虎党の伝統的な気持ちは「こんなこともあるわ」という感じのものだと思う。
阪神の結果を人生に照らし、勝ってばかりのはずがない、負けることも多い、なんならそっちの方が多いし。エエとこまで行っても最後にコケて、なんでや。巨人ファンとは確実に違うメンタルだし、だからこそ虎党はチームを愛してきた。
優勝回数こそ少ないけれど最近はすっかり強くなった阪神。若いファンはそんな気持ちにピンと来ないかもしれないが、人生は挫折の連続…ということは年齢を重ねていけば、ほとんどの人には分かるはず。
12球団でも、なかなか頼もしい最近の阪神だが相変わらず課題として続くのは失策だ。昨年はリーグ5位だったが、23年までは6年連続でリーグ・ワースト。元監督・矢野燿大の1年目だった19年には3桁の102失策を記録した。
そして、この日。1点を争う展開は阪神側のミスが影響したと言える。まずは1回。好調のオリックス中川圭太の左中間に飛んだ打球を中堅・近本光司が処理、カットマンの中野拓夢に送った球が悪く、失策がついた。いきなり無死三塁で2番・太田椋の犠飛で先制を許すのである。
さらに0-1の5回だ。1死一、三塁から太田は三ゴロ。三塁・佐藤輝明がダッシュして捕球、すかさず本塁へ投げたが三塁方向にそれてしまう。これで、もう1点を献上。門別啓人の「2失点、自責点0」という結果につながった。
このプレーを見れば「またかいな」と思うかもしれない。だが意外というと叱られるだろうが、このオープン戦、阪神の失策数は多くなかった。この日の2つを加えて「8」。球団により試合数も違うが、これはセ6球団で最少だ。佐藤輝も近本もこれが今年のOP戦初失策。メジャー2試合でも「0」だった。
「(失策は)どのチームも出てますから。(2)失策で2点、相手は1個で1点。まあ、そんなもんでしょ。順調なことばかりではなく、不安なミス等も出ながら。そういう準備期間だったと思います。1年間、乗り越えながら。人生といっしょですよ」
新しい指揮官・藤川球児は失策も含めてOP戦をそう振り返った。これはその通りだ。だからこそ、まずは「失策数セ・リーグ最少」の結果を持って開幕に臨んでほしい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




