先発デュプランティエ(愛称デュープ)は圧倒的だった。

強打のDeNA打線をほとんど相手にせず、散発3安打で完封。猛暑の中、屋外球場でのゲームが続くところでブルペン陣を温存できたのは大きいし、貢献度は高いと思う。

1カ月前に彼を高く評価していたのは日本ハム監督・新庄剛志だ。交流戦での対戦前に警戒していたが、はたしてデュープは6月5日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で7回途中まで無失点投球を見せ、勝利投手になった。

「なかなか打てないですよ。左足が(地面に)ついてからワンテンポ遅れて(腕を振る)。真っすぐもいいんで差し込まれるからポイントを前にすると変化球で泳いでしまう、(体が)前に出される。すごくいい投手ですよ」

敗戦後、新庄はそう言って絶賛した。その時点でデュープは2勝2敗になったところだったが、この日の投球を見れば新庄は早くから資質を見抜いていたということだろう。

これが12度目の登板になったデュープ。そのうち11度が坂本誠志郎とのバッテリーだ。だが最初の登板、4月3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)だけは捕手が違っていた。栄枝裕貴だったのである。

そして栄枝のスタメンマスクはここまでその日だけ。その日以降は「第3の捕手」としてずっとベンチにいる。ここまで試合に出ないのも、なかなかめずらしい気もするのだ。本人のためにはファームで試合に出る方がいいのではないか。そんな話を最近、指揮官・藤川球児とした。

「彼にとってはすごくいいことだと思いますよ。ずっと、いまの阪神の戦いを近くで見ているワケですから。すごい経験だと思いますよ。これまでそういうことはないんだし」

この日活躍の熊谷敬宥はもちろん、豊田寛など昨季までほとんど前に出てこなかった戦力を積極的に起用し、それを好結果に結びつけている球児の考えだ。

「成長し続けようとするところを自分たちもじっくり見ているわけですから。彼らも努力を続けているというところですね」。この日もその起用について聞かれ、そんな話をしていた。

それでなくともきつい捕手、スタミナを消耗する夏場。そんなことを考えれば、そろそろ栄枝のスタメンマスクもあるかも-。そんなことも予想できる好調・阪神だ。(敬称略)

【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

DeNA対阪神 勝利しタッチする阪神坂本(左)デュプランティエ(撮影・鈴木正人)
DeNA対阪神 勝利しタッチする阪神坂本(左)デュプランティエ(撮影・鈴木正人)