いわゆる「いって・こい」の中日戦である。先週10~12日はバンテリンドームでの中日3連戦。今週は同じ週末に甲子園でまた中日と3試合だ。前カードの巨人戦で2敗した阪神。それで、どうこうはないが、やはりここは1つ勝ってひと息つきたい局面だ。
だが展開は苦しかった。先週は逆転勝ちで黒星を免れた村上頌樹が1回に1失点。中日・柳裕也からは5回までに中日のそれを上回る5安打を放っていたが得点はできていなかった。
指揮官・藤川球児にして「重いゲームだった」と振り返った試合。こちらもハッキリ言って「これは負ける展開か」と思っていたのである。だが阪神打線は粘った。6回、佐藤輝明が放った左中間にスライスしていく打球を相手外野手が交錯し、三塁打に。それをきっかけに大山悠輔の適時打で同点だ。そしてラッキーセブンに森下翔太が同じ00年生まれ、同学年の根尾昂から決勝アーチをガツンと放つのである。
あまり言うことでもないとは思うが、先週の名古屋遠征で闘将・星野仙一の墓参をした。歓喜の18年ぶり優勝を遂げた03年に虎番キャップとして連日、取材。野球を教えてもらった記憶はいつまでも新しい。こわかったけれど優しかった。
このタイミングで思い出すのは当時のお茶会で闘将が話していたことだ。元々、中日のエースから監督となったドラゴンズの代名詞のような人物。そして星野が中日監督だった時代、阪神は弱かった。星野はそのときの思いについてアイスティーを飲みながら率直にこう話したものだ。
「そりゃ、オアシスやったぞ。阪神戦はな。前のカードで負け越したりして、しんどいときに『次、阪神戦やないか!』と気づいたらホッとしたもんや。砂漠のオアシスみたいやった」
そこまで言ってエエんですか…? などと思ったりもしたがストレートにモノを言うのが特徴だった闘将の発言だけに「ははあ」と聞いていたものだ。
その03年Vから流れは変わり、阪神は強くなった。そして今季、これで中日に4戦4勝だ。シーズンはまだ始まったばかりだが、このまま中日戦を「オアシス」にできるかどうかは大きいはず。昨季は5球団で唯一、勝ち越せなかったチーム。敵将・井上一樹も阪神に貢献した人だけに現状、気の毒な気もするが勝負の世界は非情だ。ここは一気に攻めたい。(敬称略)




