昨秋4強の駒大苫小牧が白樺学園に競り勝ち、優勝した13年以来2年ぶり5度目の決勝進出を決めた。1回2死二塁から、安田大将(だいすけ)遊撃手(3年)の左翼線適時打で先制。小刻みに加点し、4投手の継投で逃げ切った。

 「考える駒苫」に、スランプはない。1回、安打と盗塁で広げた2死二塁の好機。打席の4番安田は、考えた。「カーブは捨てて、フォークボールと直球待ち」。抜けた変化球をきっちり捉えて、逆方向へ。二塁走者のエース伊藤大海(ひろみ=3年)が一気にホームを駆け抜け、白樺学園の本格派右腕から、あっさりと先制点をもぎ取った。

 先頭の4回の打席では、フルカウントから3球連続ファウルで粘って四球を選んだ。「ベース寄りの変化球はボールになっていたので、手を出さない」と読んだ上で、得た出塁だ。犠打と中前打で、追加点となる2点目のホームイン。試合前のシートノックでスタメン予定の選手が負傷しオーダー変更するなど、直前のアクシデントにも、ナインが浮足立つことは一切なかった。

 準々決勝まで、佐々木孝介監督(28)はノーサインを貫いた。4月から練習試合でも、地区予選でも、選手の判断に委ねて、目に見えない“野球脳”を鍛えてきた。ワンプレーの重みを感じて欲しい、という意図もある。この試合でも、ほとんどサインは出していない。安田は「自分たちで考えるというのが、この春のテーマだった。最近、監督の考えと(自分たちの考えが)一致するようになってきた」と、チームの一体感に手応えを感じている。

 これまで、春は4度決勝に進出し、勝率100%。走攻守に「考」を加えた駒苫が狙うのは、もちろん5度目の全道制覇だ。【中島宙恵】