12年ぶり全道舞台へ、雨中戦を制した。札幌藻岩が札幌手稲を7-5で下し、2年連続で秋の初戦を突破した。5点リードを7回に追い付かれたが、途中出場の背番号17、服部翔太右翼手(2年)が8回2死二、三塁から2点適時打を放ち、競り勝った。

 札幌藻岩の代打の切り札が勝負を決めた。5-5で迎えた8回2死二、三塁。7回に代打出場していた服部の2打席目だ。2ボール後、見逃しと空振りでカウント2-2。ワンバウンドしそうな低めのボール球をフルスイングすると、打球は一、二塁間を抜けた。今秋から背番号17で初のベンチ入り。公式戦初打席で四球の後、初めてバットに当てた打球が決勝点を呼んだ。7回に5点リードを追いつかれた展開に「ちょっとやばいなという雰囲気だった。打てて良かった」とホッとした表情を浮かべた。

 2年生は新監督の信頼を集める世代。今秋から前部長の田口正浩監督(50)が指揮を執る。今大会、2年生17人が全員ベンチ入りを果たした。新チーム始動と同時に2週間、毎日約6キロ、真駒内公園でのランニングを続けた。前日よりもタイムを縮めようと走り込むナイン。練習中には全力疾走を徹底するよう呼び掛け合う。そんな姿を「練習熱心だから」と評価する。服部は「ちゃんとやっていた態度を見てくれていた。自分たちがしっかりしていかないと強くなれないという気持ちでやっている」。責任を感じながら取り組んでいる。

 チーム内にはプロ全12球団のファンがおり、プロ野球談議に花を咲かせてコミュニケーションを図る。ファン不在だった球団にも、意図的に“担当”を配置して応援。小林陽平主将(2年)は「お互いの球団の話をするのが楽しい」。レベルの高い野球に触れることで、向上心も刺激されている。

 秋の全道は準優勝した04年以来、遠ざかる。05年センバツで北海道地区の21世紀枠候補に選ばれたこともあり、久々の躍進を託される。小林は「目標は全道」と言い切る。達成まではあと2勝。粘り強く勝ち上がる。【保坂果那】

 ◆札幌藻岩の04年秋VTR エースで主将の武藤好貴(現楽天)を擁して、札幌地区予選は1回戦で北海学園札幌に2-1で競り勝つと、札幌清田、大麻、石狩南を下して秋の全道初出場を決めた。全道では広尾、奈井江商、北見工を退け、準決勝では鵡川に3-2で勝利。決勝では夏の甲子園で全国制覇した駒大苫小牧に1-9で敗れたが、準優勝に輝いた。