札幌日大の稲童丸(いなどうまる)淳中堅手(2年)が、1回に先制の3ラン。左翼ポール際に飛び込んだ公式戦初アーチに「入ると思わなかったけど、意外に打球が伸びてくれた」と、笑顔で振り返った。

 札幌地区予選では下位を打ったが、打撃好調で今大会から3番に抜てきされた。大会直前には、今夏の甲子園準Vメンバーで組んだ北海の国体出場チームと練習試合を敢行。6-7で惜敗も、稲童丸は2安打し、大きな自信につながった。

 身長168センチ、体重66キロと小柄ながら、森本卓朗監督(35)は「走攻守に優れ、性格は優しいけれど、体には野性味がある」。九州にルーツを持つ「稲童丸」姓は「絶対に2度聞きされる」珍名だ。軽やかな身のこなしは、稲童丸ならぬ、牛若丸か。この日、4安打3打点1盗塁の背番号8は「まだまだ、これから」と頂点だけを見据えている。