徳島大会から無名の150キロ右腕が出陣する。板野のエース森井絃斗投手(3年)がその人だ。26日に行われた抽選会では、初戦相手に甲子園出場経験を持つ城南を引き当てた。「甲子園に行きたいし、自分は155キロを出したい」。森井が夏の目標を掲げた。

 184センチの長身から真っ向投げ込む本格派。自己最速の150キロを記録したのはプロ12球団スカウトが見守る中、3月に行われた春季大会1回戦(対小松島)だった。中学で132キロ、高校1年で140キロ、2年春には147キロとスピードアップ。中学時代に属した徳島中央シニアで元プロ野球選手の白石静生氏(73)に指導を受け、その後も教えを守ってきた。体幹、下半身を鍛え数字に表れた。同氏は広島、阪急で通算93勝を挙げた左腕だった。

 森井もプロ志望ながら、冷静に自分を見る。「変化球のキレとか、課題は多い。1位で指名されるよう、社会人で鍛えてから考えたい。今大会は自分を信じて投げます」と話した。