旭川地区で、2年連続12度目の春全道を狙う旭川大高が3-0で旭川商を下し、初戦を突破した。プロ注目のエース右腕・沼田翔平(3年)が8回からリリーフ登板。プロ9球団のスカウトの前で、2イニング打者6人を完全に抑えた。「去年よりもボールが指にかかる。まだ良くなる」と手応えを口にした。

 千両役者がマウンドに立つと、スカウトが一斉にスピードガンを構えた。9回に球場内表示で自己最速タイの145キロをマーク。日本ハムの白井康勝スカウトは「僕のスピードガンは146キロ。北海道の高校生投手では現時点でNO・1」とうなった。

 このオフ、ウエート&体幹トレに励み、パワーアップに成功した。ベンチプレスで約10キロ増の80キロ、スクワットで約20キロ増の140キロに記録を伸ばした。増強した力を生かすため、軸となる右足に体重をしっかり乗せるように、投球フォームを変更。端場雅治監督(48)は「ボールがビュッと伸びるようになった」と、愛弟子の成長に目を細める。

 今秋ドラフトで注目必至の右腕は「今は甲子園しか見えない」と胸の内を明かす。「2年前に準優勝した北海の大西(健斗=慶大2年)さんのように、甲子園で投げたい」。甘いマスクの北の剛腕がまた、甲子園ロードを席巻する。【中島洋尚】