聖光学院(福島)は課題の「初戦の入り」を克服して活路を見いだす。抽選会から一夜明けた3日、報徳学園(東兵庫)との初戦2回戦(11日)に向けて、兵庫・西宮市内で調整した。チームトップタイの打率5割をマークする1番田野孔誠内野手(3年)は「今まで初戦は悪い入りが多かった。チームの先頭打者として、覚悟を持ってやりたい」と気を引き締めた。

 今年のチームは初戦が鬼門だ。昨秋の県初戦、今春の県初戦、東北大会初戦はいずれも聖光のペースで押し切れなかった。「自分の最初の打席が大事。1番の自分が勢いをつけたい」。既に相手エース左腕の映像は入手済みだ。練習会場までのバスで対策を練り上げており「直球は130キロ中盤。右打者の内角には投げてこない。甘い球をしっかり待って打ちたい」と自信を持って宣言した。

 11日は祝日で第1試合から3戦連続で地元関西勢が登場。完全アウェー決戦が濃厚だ。「自分たちのスタイルはひた向きさや泥臭さ。プラスに考えて、相手の応援を自分たちの声援に変えられたら。勝ちたいという欲を捨てて、最後まで戦う」。無欲の切り込み隊長が、チームに流れを呼び込む。【高橋洋平】