第91回選抜高校野球大会(来年3月23日開幕、甲子園)の「21世紀枠」各地区候補9校が14日、日本高野連から発表され、東北地区推薦校に古川(宮城)が選出された。同枠3校を含む代表32校を選ぶ選考委員会は、来年1月25日に行われる。

小雪の舞う中、宮城・大崎市の同校グラウンドで、茂泉公己監督(44)から選手たちに伝えられた。先月7日に宮城県推薦校に選出されてから約1カ月、高橋寛太主将(2年)は「正直、長かった。今日はドキドキして、ずっと緊張していました」と安堵(あんど)の表情。「甲子園が少し近づいてうれしい。でも、今のままで出場がかなっても恥をかくだけ。一丸となって、この冬のきつい練習を乗り越えていきたい」と気を引き締め直した。

今秋はエース右腕・千坂優斗(2年)を投打の中心に、57年ぶりの東北大会出場で2勝を挙げて4強入りした。宮城県大会準々決勝では甲子園準優勝経験もある東北に4-3と競り勝つなど、ほぼ1人で投げきった。今年も60人以上の国公立大学現役合格を誇る同校の中で、千坂は学力も理系クラス120人中、10番台をキープする「IQ鉄腕」。ナインも学力上位で、毎日7時間授業を終えた後、約2時間の練習に集中している。

また、校内では学校行事で掃除や駐車場係など、裏方役を野球部で率先してきた。15年9月に近隣の渋井川が氾濫時には片付けなどを積極的に手伝い、東日本大震災で甚大な被害を受けた塩釜・野々島では菜の花畑整備などの復興ボランティアにも携わってきた。

同監督も「東北地区で選ばれることだけでも光栄」と喜ぶだけでなく、9分の3の確率となった1月の朗報に備え、「これからは甲子園で勝つために積み重ねていきたい。守備はもちろんだが、攻撃力の差を痛感したので、打撃を徹底的に鍛えていきたい」と力を込めた。選出となれば学校創立122年目で初の甲子園出場となる。