夏の甲子園で04、05年に2連覇している駒大苫小牧(北海道)が、20年春に女子硬式野球部を創部することを20日、発表した。北海道での女子高校硬式野球部は17年に発足し、昨夏の全国女子硬式ユース大会4強の札幌新陽に続き2校目。全国的には作新学院(栃木)、花咲徳栄(埼玉)など強豪男子校の女子部があるが、道内で甲子園経験校の女子部創部は初となる。

初年度は経験の有無を問わず15人程度の部員でスタートし、まずは夏の全国高校女子選手権出場を目指す。監督は人選をすすめている段階で、8月にも発表する方向で調整している。ユニホームは全国的に認知されている男子のデザインを踏襲する方針。笹嶋清治校長(62)は「駒沢のユニホームを着たいという女子が多いと聞いている。最終的には監督との相談になるが基本線、そういう形でいけたら」と話した。

同校には今春、新たな生徒寮が完成しており、女子は42人収容可能。北海道内外の選手に広く門戸を開き、選手層を厚くしていく。練習場所は主に、男子野球部グラウンド隣接のソフトボール場を整備して利用。男子野球部の指導ノウハウなども生かしながら強化を図る。笹嶋校長は「やるからには上を目指す」と、全国制覇を目標に掲げた。

この日の会見には、パートナーシップ提携を結ぶ日本女子プロ野球機構で女子プロリーグのスーパーバイザーを務める太田幸司氏(67)が同席。女子はプロアマ交流の規制がなく、同氏は「広報や技術指導などで、手助けできたら」と話した。同リーグの協力を受け、7月6日のオープンスクールには、道産子プロ選手の岩谷美里(27=埼玉アストライア、砂川市出身)、小原美南(21=愛知ディオーネ、登別市出身)、山崎まり(29=埼玉アストライア、札幌市出身)の3人を招き、体験会を実施する。

提携にともない、8月17、18日に苫小牧・とましんスタジアムで開催される女子プロ野球のティアラカップ北海道大会で全国トップレベルの同校吹奏楽部が演奏し、スタンドから大会を盛り上げる。