27人の主将たちの中からスッと手を挙げたのは、宇都宮・岸快晴内野手(3年)だった。希望者による選手宣誓のくじ引き。高倍率から見事引き当てた。「大変光栄です。決まった瞬間は頭が真っ白になりました」と丁寧に話した。

会場がざわついたのは、ステージ上でボードに名前を書いた時だ。

「岸 快晴」

起死回生? ダジャレではない。父守さん(46)、母和恵さん(44)の温かな願いが込められている。

「四字熟語の起死回生のように、逆境を跳ね返す強い人間になって欲しい。また、快晴の天気のように、周りを明るくする人間になって欲しい」

初めて会った人にも、すぐ覚えてもらえる。「気に入ってます」と晴れ晴れとした笑顔で話した。

開会式は12日。令和元年に、どういう宣誓をしたいか聞かれ「これからの歴史に残る大会になる。それにふさわしい宣誓をしたいです」と答えた。初戦は14日、黒磯南戦。たとえ不利な状況になっても、起死回生の働きをしてみせる。