9連覇を目指す作新学院(栃木)がベスト8進出を決めた。2回表に2点を失うも、その裏、3点を奪い逆転に成功。3回から背番号1の林勇成投手(3年)が登板。そこからは作新劇場だった。4回には打者13人の猛攻で9得点。14安打12得点で5回コールドとした。

エース林勇が今大会初登板した。「今日は3ボールや初球ストライクを取れなかった」と反省するも、2回を打者7人で片付けた。右肩の炎症で3月下旬から5月中旬まで投げられず、春季大会の登板を回避。チームは県8強止まりだった。外から見ていて「今までの練習でやってきたことが全く出せていなかった。他の人がやってくれるだろうではダメ。負けてよかった」と振り返った。

自らの性格は「マイペース。人が急いでいる時に急がない、逆もあります」と笑いながら明かす。ライバル校は口をそろえ「林のタイミングは独特で打てない」と脱帽する。「自分のテンポを大切にしたい」。マイペースな性格が、独特の投球テンポにつながっているのかもしれない。

試合が行われた宇都宮清原球場は球速が出にくいとうわさの球場だ。作新学院の投手陣で「佐々木(大船渡=佐々木朗希投手)は清原で投げたら何キロなのかな」と話すこともある。林勇は球速では勝てないが「自分は制球力を意識し、コースに投げ的を絞らせない」。次戦は秋春V、佐野日大戦に決まったが「どこが相手だろうと変わらない。自分たちの野球をするだけです」と意気込んだ。【佐藤勝亮】