仙台城南4強センバツへM1 原貢氏ら名将教え実戦

<高校野球秋季東北大会:仙台城南6-3磐城>◇15日◇準々決勝◇花巻球場

初出場の仙台城南(宮城3位)が磐城(福島3位)を6-3で下し、準決勝進出を決めた。阿部伶桜投手(2年)が8安打を浴びながらも要所を締め、2回戦の花巻東(岩手2位)に続き2試合連続完投。1点差に迫られた7回裏には立山創太郎外野手(1年)の2ランが飛び出すなど、ミラクル快進撃が止まらない。鶴岡東(山形1位)、仙台育英(宮城1位)、盛岡大付(岩手1位)の強豪私学も勝ち上がり、それぞれ「センバツ当確」とされる決勝進出へあと1勝に迫った。16日は休養日で、17日に運命の準決勝戦が行われる。

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百戦錬磨の角晃司監督(59)も、今回ばかりは興奮を抑えきれなかった。

7回、立山が勝利を引き寄せる2ランを放つと、笑顔で出迎えた。「信じられなかった。宝くじみたい」。09年5月に就任してから10年、「監督は点が入っても、すぐに次どうするかを考えなければいけないから、絶対に感情を出してはいけない」と長年守ってきたポリシーを初めて破った。

東海大相模、東海大時代は巨人原辰徳監督(61)の1学年後輩だった。卒業後は社会人野球の三菱ふそう川崎で外野手としてプレーし、31歳で現役を引退。5年間のコーチを経て、36歳から社業に専念した。5万点あるトラックの部品を調達する部の課長にまで登り詰め、約400億円の取引を任せられるまでになったが、野球を諦めきれなかった。49歳、あと数年で退職金を満額もらえたが、指導者転身を決意した。「ゼニカネじゃない。野球が好きなんです」。

当時、東海大系列の高校には空きがなく、縁あって単身赴任で川崎から仙台にやってきた。高校時代の故原貢氏、大学時代の岩井美樹氏(64=国際武道大監督)、三菱ふそう時代の垣野多鶴氏(68)の元で学んだことが柱となっている。「1つの塁やアウトをとること、とられないことに全力をつくす」を徹底する。「バックアップや全力疾走は技術がいらない。そこを100点とろうよ」とスキのない野球を目指してきた。この日失策5と乱れた磐城に対し、無失策。その差が勝敗にも結びついた。

花巻東戦の前には「自分たち以外はみんな相手が勝つと思っている。勝ったら仙台中、学校中が大騒ぎになるぞ。こんなチャンス2度とないぞ」とモチベーションを上げ、ジャイキリを現実にした。「甲子園出場が決まったら真っ先に辰徳さんに電話しますよ」。あと1勝で来春のセンバツ出場が見えてくる。角マジックで日本中をあっといわせるかもしれない。【野上伸悟】

▽磐城・沖政宗投手(2年、3連投も6回途中で無念の降板)「自分がもっと頑張らなきゃいけなかった。自分たちのミスで崩れたことを肝に命じて頑張りたい」

その他の写真

  • 磐城対仙台城南 初出場で準決勝進出を決めた仙台城南の選手たちは、9回2死から左邪飛を好捕した川村(中央)を囲み大喜び(撮影・野上伸悟)
  • 磐城対仙台城南 7回裏仙台城南2死三塁、左越え2点本塁打を放つ立山(撮影・野上伸悟)
  • 磐城対仙台城南 力投する仙台城南・阿部伶(撮影・野上伸悟)
  • 磐城対仙台城南 初出場で準決勝進出を決め大喜びで応援席に向かう仙台城南の選手たち(撮影・野上伸悟)