鶴岡東がセンバツ当確ランプを点灯させ、創部52年目で初の決勝進出を決めた。中2日で先発した2年生右腕・太田陽都(はると)が初戦(2回戦)の福島成蹊戦に続いて6回を1安打完封。打線は初回に打者一巡(10人)の攻撃で一挙5点を挙げ、攻撃の手を緩めることなくコールド勝ちした。

10点リードの6回裏、3者凡退で締めた太田は淡々とした表情でマウンドを降りた。2戦連続で大会初出場校を1安打に抑えた太田は「(配球は)キャッチャー任せ。腕を振ることだけ意識しました」と振り返った。福島成蹊戦で自己最速138キロをマーク。この日も6回裏、相手2番を136キロの速球で2者連続三振に仕留めた。変化球は2種のスライダーだけ。緩急をつけてコースに投げ分け、2回先頭の単打1本に抑えた。8番打者として2安打3打点。6回表1死三塁、コールド成立の中前適時打も放った太田は「その前に点を取ってくれたので楽に投げられました」と感謝した。

打線は初回表1死満塁から4番・馬場和輝内野手(2年)の左翼前適時打で2点を先制。計10安打で快勝した。2安打4打点の馬場は「決勝でもやることは変わりません。神宮に出たい」と明治神宮野球大会につながる優勝を目標に掲げた。

鶴商学園時代の1979年(昭54)春以来41年ぶり2度目、校名変更後初のセンバツ出場をほぼ確実にした。だが選手たちに浮かれた様子はみじんもない。前回出場は4強入りで選ばれたもの。山形県勢としても15年ぶりの決勝戦。佐藤俊監督(48)「相手ではなく、これまでどおり自分たちのやれることを精いっぱいやるだけ」と「チーム・ファースト」を貫く。【佐々木雄高】