プロ野球ドラフト会議が17日に行われ、駿河総合高の紅林弘太郎内野手(3年)が、オリックスから2位指名を受けた。高評価にプレッシャーを感じつつも、1日でも早く1軍で活躍することを誓った。

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紅林が指名を知ったのは、望月俊治監督(53)の島田商時代の教え子で元オリックス選手・現広報の仁藤拓馬さん(31)からの電話だった。同氏から「2位で指名させていただきました」と言われ、安心した様子を見せると、野球部の仲間からも祝福され、満面の笑みをこぼした。

この日は、朝から緊張を抑えられず、15日から行われている中間テストも手につかなかった。ドラフト会議を見ていたウェブ中継も2巡目開始前に映像が停止するなど、ゴタゴタ続き。それでも、指名後は胸を張って「高い評価をしていただいて感謝です。一刻も早く1軍で活躍し、期待に応えたい」と抱負を語った。

今年1月、祖母・のり子さんを白血病で亡くした。練習で忙しい中、病床に伏す祖母を見舞った際に「甲子園に行くから」と約束。その後の葬儀の席では「必ずプロ野球選手になる」と誓った。大きな約束を果たし、「良い報告ができそうです」と目を赤くしながら話した。

恩師も安堵(あんど)した様子だった。望月監督にとっては、15年に駿河総合を卒業後、社会人野球を経て、昨年ソフトバンクに2位指名を受けた杉山一樹投手(21)に続く教え子のプロ指名となる。入学直後から紅林の素質を見抜き、成長させたが「彼は遅くまでバットを振ったり、野球で手抜きをしない。その努力の結果です」と話した。

プロの世界に入れば、激しい競争が始まることは承知の上だ。紅林は「まだスタートラインに立っただけ。日本を代表するショートになれるよう、頑張っていきたい」と、自らの闘志に火をつけた。【河合萌彦】

◆紅林弘太郎(くればやし・こうたろう)2002年(平14)2月7日、藤枝市生まれ。小2から青島ホークスで野球を始め、青島中では1番遊撃手で活躍。駿河総合では1年夏からクリーンアップを担った。高校通算40本塁打。右投げ右打ち。186センチ、85キロ。家族は両親、姉、兄、妹。