旭川大高・持丸泰輝捕手(3年)が広島の育成1位で指名を受けた。同校出身のドラフト指名選手は過去5人のうち投手が4人で、野手は電電北海道を経て84年に近鉄5位指名を受けた外野手の故鈴木貴久さん以来。

名前が呼ばれたのはドラフトが始まってから2時間30分過ぎ。1、2年生と一緒に練習していた同校グラウンドで端場雅治監督(50)から指名の報告を受けた。チームメートに祝福を受けた持丸は「素直にうれしい気持ち。朝起きたときからドキドキしていた。選ばれてほっとしました」と喜んだ。

強肩巧打の捕手として、今夏は同校を初の2年連続の甲子園に導いた。甲子園では2番捕手としてドラフト1位候補の星稜・奥川恭伸(3年)から強烈な中前打を放った。プロでの再戦を熱望する奥川はヤクルトの1位指名。「奥川ともうまくいけば対戦できる。だけど今はまだ遥か上にいる。早くそのレベルにいきたい」と、まずは支配下登録を目指していく。

広島に訪れたことはないが「お好み焼きは好き」とはにかんだ。チームの印象については「セリーグの強豪チームで、そこに入れたのは良かった」。あこがれる選手にはヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(45)や育成からソフトバンクの主力に成長した甲斐を挙げる。持丸は「人一倍練習して球界を代表するバッターになりたい」と力強く目標を掲げた。

感謝を伝えたい人がいる。生まれたとき左利きで、今でもバドミントンのラケットなどは左手で持つという。幼少期に父知己さんが「日常生活でもつぶしがきくから」と右利きに変えたという。キャッチボールで投げ方を教わった父に対して、持丸は「親はずっと支えてくれた。感謝したい」と口にした。

小学生のころは、素質はあったがバットにボールがあたらず、当時の少年団の監督には名前の「泰輝」にかけられ「未完の大器」だと言われていた。中学時代は軟式野球出身。高校に入り、1学年上で巨人育成3位指名を受けた沼田などに刺激を受けて、選手として成長した。持丸は「尊敬される選手になるために、人の倍努力していきたい」と力強く将来を描いた。

◆持丸泰輝(もちまる・たいき)2001年(平13)10月26日、旭川市生まれ。旭川西小2年時に永山西クラブで野球を始める。旭川永山中では軟式で4番投手。旭川大高では1年春からベンチ入り。昨夏甲子園は1回戦の佐久長聖戦に4番左翼で先発し4打数1安打。今夏は2番捕手で出場。好きな選手は元ヤンキース松井秀喜氏、捕手はソフトバンク甲斐拓也。家族は両親と姉、妹。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。