「常総学院・島田直也」が甲子園に帰ってくる。87年に甲子園を沸かせた元プロ野球の島田直也監督(50)率いる常総学院(茨城)が、秋本璃空投手(2年)の好投と17安打9得点の攻撃で木更津総合(千葉)を圧倒し4強に進出。島田常総としては初、チームとしては16年以来のセンバツ出場が濃厚となった。東海大甲府(山梨)、高崎健康福祉大高崎(群馬)、専大松戸(千葉)もベスト4入りした。

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最後の打者を三ゴロで打ち取った瞬間、ベンチの最前列にいた島田監督は、大きくガッツポーズを見せた。「うちはチャレンジャー。難しい試合でしたが、子どもたちが1戦1戦力を出して打てるようになってきた」。先発の秋本は8回まで7安打4三振。打線もセンター返しでつなぐ打撃を徹底し、投打にかみ合い勝利を手にした。

島田監督は「選手よりも勝ちたい気持ちが強かった」と本音を明かす。7月、監督就任以来、プレッシャーとの闘いだった。「監督が代わって弱くなったと言われたくない」。強気に振る舞っても、周りの目が気になった。「元プロの指導だからすぐに勝てると思われているのでは」。関東大会が始まってからは、眠れない日々が続いた。しかし、その不安は選手たちと正面から向き合い、指導することで力に変えた。

技術よりも取り組み方を指導した。「準備を徹底。当たり前のことを当たり前にやる」。攻守交代、凡打では全力疾走で一塁を駆け抜ける。全員がそろって黙想してから練習を始める。主将の田辺広大捕手(2年)は「冷静にプレーができるようになった」とブレない気持ちは大舞台で力を発揮できるようになった。

「新しい常総を君たちの力で作ろう」。島田監督の言葉が、選手たちの心を動かし、常総学院の新たな歴史を作ろうとしている。

▽木更津総合(千葉)・島田舜也投手(楽天ドラフト1位のOB早川投手と比べて) まだまだ先輩とは比べものになりません。もっと真っすぐを磨いて、少しでも近づけるように頑張っていきたい。