日刊スポーツ静岡版は、新連載「センバツ高校野球初出場 三島南を語る」を今日から始めます。三島南野球部関係者に聞いた貴重なお話をたくさん、お届けします。第1回は、同部の稲木恵介監督(41)です。

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2013年秋から三島南を率いている稲木監督は、就任当初を振り返り、感慨にふけった。「当時は自発的な子が少なかったが、年を経るごとに自分の意思を持って行動できる子が増えてきた」。どのように選手たちを導いてきたのか。「生徒には課題やヒントを投げかけ、あとは放っておきました」。自分で考え、物事に取り組ませる。「誰のために野球をやるのか」を認識させてきた。

日体大卒業後、誠恵高で野球部長を1年間務めた。その後、静岡大大学院教育学研究科へ進学。在学中は、同大硬式野球部コーチも務めた。国立大で学びながらプレーする学生たちに触れ「彼らは、本当に野球が好きなんだなと感じた。アルバイトをして部費や道具代を捻出し、授業の合間の時間を使って練習をする。野球をやりたくてやっていたんですよ」。

教育者として重視することは「生徒に自己実現をさせること」。児童・学童との野球交流会の目的は、地域貢献だけでなく、選手の人間形成のためでもある。それが評価され、自身にとっても初の甲子園だ。出場決定までに、行く先で声を掛けられるようになり、「関心を持ってもらえてるなと、逆に勇気をもらった」。聖地で勝利をつかみ、地域に恩返しをする。

◆静岡県立三島南高校 1919年(大8)に三島町立三島商業学校として創立。野球部は21年創部。49年から現校名。2001年(平13)に三島市二日町から同市大場に校舎を新築移転。同年から単位制普通科高校へ移行。今月1日現在の生徒数は男子251人、女子429人。県内で初めて演技実習室を導入し、舞台芸術を学べる科目を持つ。ファッションデザイナーの森英恵氏が制服をデザイン。持山育央校長。主な出身者に歌手研ナオコ(中退)。