柴田(宮城)の舟山昂我捕手(2年)は文武両道を貫く。部員32人の大半は体育科に在籍するが、扇の要は普通科で学ぶ。部活と勉強との両立に励み、学業成績は常に学年トップ10入り。好きな科目は化学で、物質に興味があるという。「理科系がおもしろい。野球だけではなく、勉強もやらないといけない気持ちが強い」と文武とも妥協は一切しない。

捕手歴5年。船迫中時代からマスクをかぶる。今でも大事にするのは投手との積極的な会話。練習中から配球について意見交換し、お互いの理解を深める。昨秋はエース右腕・谷木亮太(2年)の良さを引き出し、東北大会準Vの原動力となった。舟山は「捕手には1球の責任感がある。打たれた時は悔しいけど、抑えた時は気持ちいい」とやりがいを口にする。

将来の夢は「理容師」。家業の理髪店を継ぐため、卒業後は専門学校への進学を視野に入れる。大会前は父清成さんに整髪してもらうのが、大事な験担ぎだ。「3ミリだと短い。6ミリだと長い」。こだわりは4・5ミリ。毛先を短くそろえて、春の聖地に乗り込む。

憧れ続けた甲子園にたどり着いた。野球を始めたのは小学3年生。子供の頃から高校野球の季節になると、テレビにかじりついて観戦した。「全力で戦う格好良さを感じた。自分は捕手なので、一塁へのベースカバーであったり、全力ダッシュを貫きたい」と力強く宣言した。【佐藤究】