鳥栖工が延長10回タイブレークをサヨナラ勝ちで制して、初めて決勝に進んだ。過去最高は4強だった。

松延晶音(あぎと)捕手(3年)と同響投手(1年)の兄弟バッテリーが勝利に導いた。

弟響は1点ビハインドの7回から救援した。同1死から右越えソロ本塁打を浴びて点差を広げられた。

だが、思いきり腕を振り、最速142キロのキレのある直球を軸に兄のミットめがけて投げ込み、踏ん張った。1年ながら4回1失点。10回も「兄から気合で行けと言われた」という気迫で無失点でしのぎ、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

好投する弟を、4番に座る兄晶音がバットで助けた。2点ビハインドの8回無死一、二塁だった。「打ったのはスライダー。うまく反応できた。気持ちで打ちました」といい、値千金となる同点の左越え2点二塁打で援護射撃。二塁ベース上でガッツポーズしたが「うれしすぎて、覚えていません」と照れた。

響によると「兄が鳥栖工でキャッチャーを始め、兄弟バッテリーを組みたいと思い、選びました」。「前はけんかもしましたが、今は仲がいい」という息の合ったプレーで貢献した。試合は延長10回の1死満塁から捕逸で幕切れとなった。【菊川光一】

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