中越は加茂暁星に10-3の8回コールド勝ちで、優勝した18年以来の5年ぶり決勝進出を決めた。2番大矢一颯(いっさ)中堅手(3年)が5打点の活躍。2回に満塁の走者一掃の勝ち越し二塁打、8回はコールド勝ちを決める2点適時打を放った。東京学館新潟との決勝は25日にハードオフ新潟で行われ、12度目の夏甲子園を目指す。

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一塁塁上の大矢はワンテンポ遅れてガッツポーズをした。二塁走者の1番関照永(2年)の生還が目に入った。「関がよく走ってくれた。コールド勝ちしたんだ、と分かった」。6-3で始まった8回裏、8-3と差を広げた1死二、三塁で打席に入った。あと2点でコールド勝ち。「打てると思った。つなぐことを意識した」。真ん中直球を迷わず振り抜き、右前に運ぶ。大喜びのナインを見て、決勝進出を実感した。

主導権を握る一打も放った。1回表に0-2と先制され、同点に追いついた後の2回裏2死満塁では左中間に勝ち越しの走者一掃の二塁打。初回の2失点目は自身の中堅からの悪送球で与えたものだった。「自分で返したかった」。名誉挽回だけでなく、3点リードを先発のエース野本壮大(3年)にプレゼントし、優位に立った。

準々決勝(21日)の高田北城戦も勝負を決める2点二塁打など3打数3安打3打点と乗っていた。この日は午前7時起床の予定が、午前5時30分には目覚めた。「試合が楽しみだった」。準備もできていた。試合前日22日はセンター返しを意識した打撃練習で、好調な感覚を体に染み込ませた。

5年ぶり12度目の甲子園まであと1勝。準決勝の前、大矢のLINEに昨年の主将、吉井愛斗さん(19)からメッセージが届いた。「決勝を見させてくれ」。先輩たちの思いも背負う一戦、大矢は「いつも通りに戦う」と気を引き締めた。【斎藤慎一郎】

 

○…先発の野本壮大(3年)が8回3失点で完投した。初回に2点を先制されたが、2回以降は外を意識した変化球を軸に相手打線に的を絞らせない。10分のクーリングタイム直後の6回、加茂暁星の先頭柴田に左翼席に運ばれ3点差に迫られたが、終盤の7、8回を無失点で締めた。121球を投げ8奪三振。中1日での決勝に向け「(コロナで)出場辞退した一昨年、準決勝で負けた昨年の先輩たちの思いも背負っている。自分たちが県内を圧倒して甲子園に行く」と意気込んだ。

 

○…「柴田のチーム」を象徴する意地の一発だった。加茂暁星の主将・柴田光伯中堅手(3年)は6回の先頭で打席に立つと「真っすぐが何となく来る予感がしてた」と中越・野本の投じた初球の直球を左翼席に運んだ。4打数4安打、2盗塁で打線を引っ張ったが、初の決勝には届かなかった。押切智直監督(48)は「柴田は学校でも中心的存在。野球部の歴史を変えてくれた」とたたえた。その言葉を伝え聞いた柴田は「野球部が学校の中心になってやってきたので、押切先生の口からそういう言葉をもらえてうれしいです」とあふれる涙を抑えきれなかった。

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