“ミラクル共栄”は、初勝利には届かなかった。
初出場の共栄学園(東東京)は初戦敗退。東東京大会の準決勝、決勝と9回に試合をひっくり返してきたが、ミラクルは起こせなかった。
4番の菊池虎志朗(こじろう)捕手(3年)は7点を追う7回無死一塁で死球。その後、生還してホームを踏んだ。最後まで笑顔で「悔しかったけど、甲子園でプレーができた楽しさの方が上回りました。自分たちの野球ができたことが、チームにとってもうれしかった。涙を流さず最後まで悔いを残さずできたと思います」と話した。
打席に入る前には、空を見上げた。「父がいつも近くにいるように感じました」。小1の3月、父・諭さんが大腸がんのため44歳で亡くなった。キャッチボールをした記憶は、今も大切な思い出だ。虎志朗という名前は、父と母の思いが込められており「誇りに思っています」。
将来の夢は、父と同じ料理人だ。両親は居酒屋を営んでおり、父の回鍋肉が絶品だった。「病気になる前も、料理をしてかっこよかった。たくさんのお客さんを笑顔にしていた。自分もそうなりたい」。
今大会から、土を持ち帰ることができるようになった。しっかり、袋に入れてきた。家に帰ったら報告をしながら、仏壇に供えるつもりだ。「お父さん、甲子園で戦ったよ」。

