秋季高校野球新潟県大会が7日、開幕する。来春のセンバツ出場を目指す戦いが始まる。今春の新潟県大会を制した帝京長岡は、10日の初戦2回戦で新潟産大付と対戦。打線の軸になるのは3番渡辺侑耶外野手(2年)だ。夏休みの練習試合で大学生相手に本塁打を放つなど長打力をアピールした。公式戦のベンチ入りは今秋が初。覚醒しつつある大器がチームをけん引する。
渡辺が秋の理想を掲げた。「打率10割。かなわなくても次に生きるアウトにする」。新チーム結成時から3番を打つ。チャンスで打てば得点になり、4番でエースの茨木佑太(2年)につながる。アウトになっても「最悪、走者を進める。最悪のレベルを上げたい」と自分に言い聞かせた。
芝草宇宙監督(54)は「飛距離は少し及ばないが、ミートする確率は浮ケ谷より上」とプロ志望を明言している前チームの主砲、浮ケ谷航平内野手(3年)に匹敵する素材と評価した。8月、新潟・三条市で行われた「大学野球サマーリーグ」に帝京長岡は参戦。渡辺は明大戦で右翼に3ラン本塁打を放った。県外遠征の甲府工(山梨)との練習試合でも右翼にソロ。「変化球を狙って、直球なら詰まってもいいと思って打った」と結果を出した。
昨秋、中軸を期待されていたが腰痛のためベンチを外れた。今年の春、夏は「実力不足だった」(渡辺)と調子が上がらずメンバー外。今年、帝京長岡は春、初めて県大会を制し、夏は第1シード。だが3回戦で長岡に0-9の7回コールドで敗れた。渡辺は泣き崩れる3年生の姿を応援席から見た。「自分も悔しかった」と同時に、「秋は自分たちが勝つ。センバツに出る」と決心した。
好きなアスリートはバスケットボール男子日本代表の河村勇輝(22=B1横浜ビー・コルセアーズ)。河村が福岡第一高時代に全国高校選手権で活躍する様子を動画で見てファンになった。24年パリ五輪出場を決めた8月のワールドカップのプレーにも感動した。「高校の時から有言実行。すごい」。憧れの存在を手本にセンバツ出場を現実のものにする。【斎藤慎一郎】
◆渡辺侑耶(わたなべ・ゆうや)2006年(平18)7月10日生まれ、福島県出身。いわき・泉北小2年から中郷スポーツ少年団で野球を始める。泉中3年の秋から少年硬式野球のいわきシニアに所属。176センチ、79キロ。右投げ左打ち。

