来春センバツの参考材料にもなる秋季宮城大会の準決勝が、21日に行われる。

上位3校は同東北大会への出場権を得る。今夏の甲子園にも出場した仙台育英は、ここまで全試合コールド勝ちで駒を進めてきた。チーム打率は4割と好調。「打の顔」ともいえる田山纏(まとい)外野手(2年)を軸とする脅威打線の秘密に迫る。

工夫が凝らされた打線が機能している。ここまでの3試合でチームは計36安打35得点。優勝した昨秋の宮城大会は5試合で計45安打30得点。総得点は現時点ですでに昨秋を上回っている。キーマンは田山。今夏は1番打者。甲子園でも打率4割超えをマークし“切り込み隊長″として強烈なインパクトを残した。

新チームとなり、軸となる田山を何番に据えるかが、新打線の鍵だった。これまでと同様に1番に置くか。または高い長打力を生かせる4番か。はたまた、違う打順か。練習試合でも試行錯誤し、たどり着いた結果が2番だった。須江航監督(42)は「(2番に田山が控えると)1番を出した時の緊張感がぐっと上がりますし、その後はクリーンアップにも回っていくので、ハマるのではないか」と予想した。

まさに狙い通りだった。ここまで上位打線2人で12得点。準々決勝の東北学院戦では先頭打者が出塁し、続く田山の2ランで先制。チームは3試合全てで初回に先制点を挙げているが、うち2試合は2人でもぎ取ったものだ。「1番の時は出塁だけを考えていましたが、今はランナーを返す、進めることも仕事です」と田山も役割をしっかりと理解し、打席に立つ。

この起用に、当初は迷いもあった。「やっぱり打の顔を4番にして、みんなで『田山につなげ』の方がいいのか」。指揮官の悩みを解消したのが、高岡龍一外野手(1年)の存在だった。「バットコントロールや打率でいえばチームでナンバーワンクラス」と絶賛。「高岡と田山はほぼ同等で双璧だと思っています。だからこそ、圧をかける意味でも田山を2番に置きました」。高岡はここまで打率4割5分5厘。長打率も8割超えと、4番起用にしっかりと応える活躍を見せている。

それでも打線は水物。ここで重要になっていくのが下位打線だ。「そこが頑張ってくれたら一気に色が変わると思います。貧打ではなく、嫌らしいバッターになってくれたら、すごくかみ合うようになると思います」と話した。まだまだ新チームの戦いは始まったばかり。納得のいくゴールテープを切るためにも進化を止めない。【木村有優】